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森その1

「ただの間抜けでしたわね……」


「拍子抜けだけど……弱いに越したことはないからよし」


PKをPKKをしたニャイアル達は、戦利品であるアイテムと金を確認し、再び前へと進む。森は後少しのようだった。


数分歩くと森の入り口へと着く。薄暗く木々が生えているが、行動を阻害されるほどでは無く、二人にとっては隠れる場所が増えたので、少し有利だ。


「新しい薬草類も生えてますね、これで毒消しが作れますわ。調合自体はいつでも出来ますが……」


「僕が警戒しとくから今作る?」


「えぇ、お願いしますわ」


サヤは道具を取り出し、早速すり潰して調合を始める。まだ森の入り口近くだからか、襲われることもなく毒消しを作ることに成功した。


「私のエルダーエルフとしての能力で効果が上がってますわね」


「へー、見せて?」


サヤは丸薬を手渡してくる。


下位毒消し

効果:状態異常、毒のスタックを飲むと15減らす、エルダーエルフが作ったものなので効果が本来よりも良い。味はそこそこ苦い。


「量産は街に帰ってからにしましょうか。私は手作りでやってますので」


「手作り?」


「本来はボタン一つで作れるのですが……。どうやら手動で作ると効果が上がるみたいですわ」


「なるほど」


紗夜はかなり器用なのだ。筑紫が冬に使っているマフラーも彼女が編んだ物である。生産系は全てサヤに任せようと、ニャイアルは思いつつ探索を再開する。


「あ、上」


「お見事ですわ」


ニャイアルは素早く構え、木の上にいた何かを撃ち抜いた。落ちてきたのは一匹の小さい熊だった。


「これがミニベアかな?」


鑑定を起動してみると、確かにそう書いてある。まだHPは削りきれて無かったので、追加で一発放ち討伐した。更に奥へと進むと、奥に何か建物が見えてくる。


襲ってきたミニベアを何匹か返り討ちにしつつ、そこには複数のプレイヤーが何かを話し合っていた。そこに二人が入った途端、この様な画面が表示される。


フィールドボス《ボスベア》へ挑みますか?

YES/NO


「ボス戦前についてしまいましたわね」


「まだ挑むのは早いかな……?」


「今受けてる依頼が終わったら……ですから挑戦は明日になりそうですね」


「もう二十三時過ぎてる?! 急いで終わらせるよ!」


「分かりましたわ」


平日のゲームは日付超えまでに終わらせろ、とニャイアルは言われているのだ。サヤもそこまで朝に強い訳ではない。二人は急いで残りの八匹を狩りに行く。


「サヤそっちお願い!」


「えぇ、《小火の祈り》!」


「《チャージショット》」


「ガゥッ?!」


少しコンビネーションが磨かれ、疲れつつも、依頼を達成した二人は次の日学校で会うことを約束しながら落ちるのだった。


そして次の日、クラスは別々だが昼休憩の間に中庭で落ち合った二人はいつも通り弁当を食べる。


「そう言えば配信の件ってどうなったの?」


「えぇ、第二の街に行くまでは出来ないみたいですわ。どうやら次の街からが本番の様ですね、今日中にボスを討伐するのが理想ですわ」


「…… 配信かぁ」


「私たちなら人気は出るだろう、と言うのが貴方のお父様からの話ですわ。大変ですけどやるしかありませんわね。あ、イチゴ食べますか?」


「食べる」


「あーん」


「あむっ」

 

(今日も可愛いですね)


いつも通りの昼休憩の時間が終わり、冒険者ギルド前で落ち合うことを約束し、解散した。

読んで頂きありがとうございます

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