表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/151

初めての闘技場

控え室では持っていく武器と、革のポーチの中に入れるものを召喚石から回復薬に変えて準備を終える。少し待つと対戦相手が見つかりましたと言うメッセージと共に、再度転送された。


「ビッグワームと戦った時くらいの大きさかな?」


「遮蔽物も思ったよりありますわね」


そこは木のバリケードが左右に四つづつあり、それなりに広い場所だった。身体は動かせないが、目の前には戦闘開始まで残り十秒と言うカウントダウンがあった。


相手は弓矢と、盾を構えた剣士が居た。どうやらニャイアルたちを見て後衛二人だと確信し余裕ぶった顔をしていた。


「火の障壁使って気を引いてといて」


「えぇ、分かりましたわ」


カウントダウンが終わると一斉に動き始める。ニャイアルはバリケードに張り付き、サヤは言われた通りに障壁を発動させて、樹の祈りを唱え始める。


「楽勝だな《ハイスラッシュ》」


「さっさと終わらそうぜ」


相手は笑いながらスキルを発動させて斬りかかるが、障壁によってほぼ防がれる。それに驚いた剣士は下がろうとして……。


「《ブリーズショット》」


「えっ?」


すれ違う様にして後ろに立っていたニャイアルに頭を撃ち抜かれたのだった。残るは急いで弓矢を構えようとしたプレイヤーのみ、しかしサヤの溜め時間が終わる。


「じゃ、さよなら。《ボムショット》」


「まっt」


何も出来ないまま頭が爆発し、ニャイアルたちの勝利が決まった。どうやら金などは落とさないがが経験値は多少手に入った。


「PK集団と戦ってる時の方が大変だったよ」


「闘技場にはプレイヤーの観客も居ましたし、ここで活躍すると注目も浴びるかもしれないですわね」


「時間がある時に来よっか」


「そうですわね、もしかしたらシングルの時に戦うかもしれませんわよ?」


「あはは……まぁその時は手加減無しでやるよ」


「私も簡単にはやられませんわよ?」


そんな会話をし、初勝利報酬である賞金の千Gを貰うと二人は街の外へと出ることにした。そこは地割れを起こした様な地形の下に川や何かの巣、池などがあった。


所々にロープや階段、梯子などが設置されている。飛び越えられないほど離れている地面があるので下に行って迂回路を探す必要があった。


「あそこに林檎の木みたいなのあるね」


「果物が成っている木がここにも下にもありますわね」


少し背伸びをすれば果実に手が届く程度の高さの木がかなりあったのだ。日差しは差しているが日陰はあるので休憩には困らなさそうだった。


敵は体格と装備が良くなったゴブリンや、長い手足の褐色の毛の猿、同じく褐色のカラス等が居た。恐らく下に行けば他の魔物も居るだろう。


「ここの探索結構大変そうだなぁ」


「地道に道を探していくしかありませんわ」


そうしてニャイアルたちは地割れエリアの探索を始めたのだった。

読んで頂きありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ