第四の街と闘技場
ウルルを一旦召喚石へと戻し、入り口へと向かった。
「でっか」
「ケンタウロスの石像ですわね」
第四の街の入り口には、巨大なケンタウロスの石像が左右に一つづつ建っていたのだ。右は槍、左は弓矢を構えている。
街の地面はこれまでと違い石畳になっていた。流石に主要な道だけだったが、それだけでも今までとは異質な雰囲気を醸し出している。
そして奥にコロッセオに似た巨大な建造物が見えるのだ。
「あれ何だろ?」
「恐らく闘技場だと思いますわ」
「闘技場かぁ」
「一度冒険者ギルドの職員に聞いてみましょうか」
「そだね」
ニャイアルたちは冒険者ギルドへと足を運んで、依頼の確認とコロッセオの様な建物について受付嬢に聞く。
「あちらはこの街の名物である闘技場ですね。エントリーさえ済ませば誰でも参加出来ますよ。ただし独自のルールがありますのでご注意ください。エントリーは冒険者ギルドでも出来ますのでお気軽にお申し込みくださいね」
「なるほど、ならお願いするか」
「私もお願いしますわ」
「分かりました、ではこれを」
渡されたのは一つの茶色に輝く宝石がついた首飾りだった。
「それを闘技場の受け付けに見せますと、どのルールで戦うかの選択が出来ます。階級が上がれば宝石の色も変わります、詳しいことは闘技場の職員に聞いてください」
「ありがと」
「ありがとうございます、分かりましたわ」
そうして二人は闘技場へと向かう途中、ステータス画面を確認する。
名前:ニャイアル
種族:猫又lv13→14 職業:疾風狙撃魔銃士lv4→5
HP:120 MP:310
筋力:9
頑丈:12
器用:10
敏捷:31+5 【種族ボーナス】
精神:28+3
知力:28→31+5 【種族ボーナス】
スキル:【魔銃ダメージ増加lv5】【チャージショットlv5】【ボムショットlv2→3】【ブリーズショットlv2】【精神強化lv3】【鑑定lv1】【消音lv1】【魔力探知lv2→3】【軽業lv1→2】【移動速度上昇lv1】【ウェポンチェンジ】
SP:6
STP:0
装備:武器【白金のスナイパーライフル/電虎子のスナイパーライフル】頭【無し】体【魔鉄糸の迷彩服】腕【無し】脚【魔鉄糸の迷彩ズボン】靴【ボアの靴】アクセサリー【深緑のシュシュ】【革のポーチ】
名前:ウルル
種族:アクセルウルフlv1→3
HP:200 MP:150
筋力:21→24
頑丈:20
器用:6
敏捷:45→51+5 【種族ボーナス】
精神:15
知力:6
スキル:【危機察知lv2】【近接攻撃ダメージ増加lv3】【悪路走法lv1】【移動速度上昇lv1→2】【全力疾走lv1】
SP:7
STP:0
装備:武器【無し】頭【無し】体【無し】足【無し】アクセサリー【ボアの首輪】
ウルルの機動力はニャイアルたちの生命線となる時も多い。しかもスピードを乗せた一撃は当たり所によっては大ダメージになるだろう。
「オッケー」
「私も終わりましたわ」
闘技場の受付へと辿り着くと、早速首飾りの提示を求められる。首飾りは装備判定ではないのでお洒落としても付けていられるのだ。
「ではブロンズランクからのスタートとなります。先ずはルールの説明から、基本的に回復薬等の類は合計で三つまでとなります。そして一部のスキルの使用制限、もしくは禁止もあります。武器に関しましても一度に持ち込める武器は二つまでとなります」
「ふむふむ」
「次の説明を頼みますわ」
「はい、次にモードですがブロンズランクで出来る物だとシングル、ダブルス、フリーとなります。シングルとダブルはブロンズランク同士か一つ上のシルバーランクとしか戦えません。フリーはどのランクの方達とも人数も自由で戦えます。シングルとダブルスでは従魔は使えません。ランクの上昇については二週間に一回、フリーを除くそれぞれの戦績で決まります。高ランクになれば降格する可能性もありますね。質問はありますか?」
「一対一と二対二ってことね、僕は大丈夫」
「闘技場はどの様な環境でしょうか?」
「先ず戦闘開始時はお互い二十メートル離れています。大きさについては実際に戦ってもらった方が早いでしょう。遮蔽物もありますのでご安心ください」
「分かりましたわ」
「では一度ダブルスで戦いますか?」
「どする?」
「百聞は一見にしかずと言いますわ、やりましょうか」
「分かりました、では御武運を」
そうして二人は控え室に転送される。少し緊張しながらも闘技場デビューが始まったのだった。
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