ビッグワーム戦
ビッグワームはそのまま半分身体を出したまま、口らしき所から岩を大量に出して来た。数自体はそこまで多くないのだが立ち止まっている暇はない。
「まぁ当たるでしょ! 《ボムショット》」
「私は今は何も出来ませんわね……」
「ガォッ!」
ウルルは少しずつダメージを与え、ニャイアルも弱点部位が分からないため、最悪爆風でダメージを与えられるボムショットをメインにして戦っている。
それを繰り返していると、岩の雨が止まりビッグワームはその身をうねられせた。そして偶然同じ場所に居たニャイアルとサヤはこのままここに居ると危険だ、と言うことを本能で察知した。
「あっぶなぁ?!」
「あれを喰らったらHPが吹き飛びますわね」
ビッグワームは薙ぎ払うようにして身体を動かす。ブヨブヨしてそうだが地面にぶつかった時の音は轟音だった。
「ってことは……」
「これからあの攻撃が定期的に来ますわね」
ニャイアルは引き攣った顔で苦笑いした。しかしその分岩の雨の密度はかなり薄くなっいた。これでサヤも攻撃できる様になった。
「サヤ、もうちょっと右!」
「助かりましたわ」
そのためニャイアルがサヤの立ち位置と岩の落下地点を確認している。危なかったら声をかけて回避させていた。
そこから十分以上経過した頃、ついにビッグワームが全身を表す。地上に体を出すだけでも気をつけていないと気をつけないと轢かれてしまう。
「でっか……」
「後半戦ですわね」
攻撃は当てやすくなったが動ける範囲は狭くなった。幸運にもニャイアルたちは同じ場所に居るので援護は出来る。
対してビッグワームはその巨大な身体で突進してくるのだ。目がないからか、それとも小さい物は捉えられないのか全く見当違いな所に行ってしまう。
それに伴ってビッグワームの後方にスペースが出来た。
「逃げろってことかな?」
「えぇ、そのようですわね」
「ガォッ」
ニャイアルたちは全力疾走し、ギリギリ突進する前に逃げ切った。恐らく逃げ回りつつ攻撃していくのだろうと察する。
ビッグボアの突進よりは避ける時間はあるが威力は比にならない。だがウルルの機動力とニャイアルたちの連携によって確実にHPを減らしていく。
「《ブリーズショット》、もう少しで倒せるかな」
「油断は禁物ですわ」
「グルルルル!!」
そしてしばらくヒットアンドアウェイを続けるとビッグワームの身体はポリゴンの欠片となった。HPが多くMP回復薬を買っていなければ途中で詰んでいただろう。
「ふぅ……まぁロックバードよりはマシ」
「ロックバードの経験が生きていたのかも知れませんわね」
こうして危なげなくビッグワームをニャイアルたちは討伐することが出来たのだった。
読んで頂きありがとうございます




