砂漠探索
「ここに来るのも久し振りだね?」
「色々あって探索が出来てないですわね」
「そーそー」
ニャイアルはそう頷く。少し狩りをした以外この砂漠エリアを全く探索していないのだ。奥に微かに見える奥のエリアの詳細も分からない。
狩りは一旦二の次にして奥のエリアへと行くことにした。ニャイアルたちは道中オアシスを発見し、そこに行商人のような格好をした人を見つけた。
「あれ何?」
「NPCでしょうか、とりあえず近づいてみましょうか」
「はーい」
近付くとその行商人らしき人は休憩していることが分かった。側には水を飲んでいるラクダのような生物も居る。
ニャイアルたちに気づいたのか声をかけてくる。姿はローブを被り踊り子の衣装のような装備をしていた。
「お、珍しいお客さん?」
「何か売ってるの?」
「売ってますよ、今ならなんとセール中」
「少し見ていきましょうか」
「はいはーい」
声は明るい女性のような感じだ。様子を見る限りだとNPCだとニャイアルたちは気付く。NPCはラクダに載せてあった荷物を下ろして広げた。
「あ、後私の名前はルーミィと言います」
「ボクはニャイアル」
「私はサヤですわ」
「よろしくお願いしますねー」
商品は回復薬や状態異常を回復する物、変わった物だと俗に言うマンドラゴラと思わしき植物やソーダに似た飲み物もあった。
「此方は乾燥させたマンドラゴラ、それはソーダ水って言う飲むと少しの間状態異常になり難くなる飲み物ですよー」
「色々買いますわ」
「ずっとここに居るの?」
「いえいえ、もう少ししたら何処か適当にフラフラしますよ。今言った二つは掘り出し物なので」
「なるほど」
回復薬や、乾燥させたマンドラゴラとソーダ水を二人とも買った。値段もそこまで高くなくお手頃だったのだ。
「お二人ともお気をつけて、この先は砂嵐が起きる可能性と地形が少し変わりますよー」
「ありがと」
「情報感謝致しますわ」
ニャイアルたちはそれを聞いてからその場を後にした。敵はちょくちょく襲ってくるがニャイアルの狙撃によって秒殺されている。
少し歩くとルーミィが言った通りある程度平坦だった砂漠がいきなりほぼ砂丘しかない地形に変わったのだ。ボアの靴を履いていても少し歩き辛い。
「んー……敵も一回りくらい大っきくなってるね」
「山岳エリアで見たゴーレムの砂バージョンも居ますわね」
ニャイアルたちが言った通りスライムですら大きくなっているのだ。しかも足場の悪さも加わっているので戦闘時はかなり気をつけなければならない。
「って多分サソリが二匹くらい来てるね」
「分かりましたわ」
「《チャージショット》」
「《恵の祈り》」
ニャイアルは頭を胴体を撃つも削りきれなかったようだ。サヤの魔法も怯む程度だった。すかさずニャイアルはボムショットを使用し纏めて爆散させる。
「早く潜伏ポイント見つけないとね」
「そうですわね、このまま戦うのは危険すぎますわ」
二人は不慣れな環境に戸惑いつつも探索を進めるのだった。
読んで頂きありがとうございます




