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当たらなければどうと言うことはない

 不安になりつつも街の外へと出た二人は、スピアラビット三匹を早速見つけた。


「三匹か……うん、多分いける」


「分かりましたわ、《小火の祈り》」


 サヤは武器であるお祓い棒を手に持ち、天に祈るようはポーズを取る。しかし魔法が発動する前に魔物の攻撃の方が早そうだ。しかしニャイアルはその前に一匹を撃ち抜く。


「あと二匹お願い!」


「分かりましたわ!」


 スピアラビットたちは銃声と、一匹撃ち抜かれたことによって動きが止まっている。そしてサヤがお祓い棒から火の粉が飛び、二匹は火に包まれ消えていった。


「おー、すご」


「ふふ、ありがとうございます。私たちなら三体同時に相手しても大丈夫そうですわね」


「うん、じゃぁこの調子で狩ろうか」


 たまに油断して不意打ちを喰らいつつも、そこはサヤの回復によって持ち堪えながら無事に十匹狩ることに成功した。サヤは回復薬が作れる調合と言うスキルを取って、薬草を何本か回収し街へと戻る。


「薬草ってどう見分けてるの?」


「あら、チュートリアルで鑑定というスキルの説明は受けませんでした?」


「あー……面倒だからチュートリアル飛ばしちゃった」


「そう言うことだったんですね、鑑定はアイテムの名称や敵のステータス等が分かりますから取っておくと良いですわよ」


「なるほどね、ありがと。後で取っておくよ」


「ふふ、例の条件を抜きにしても此処に来て良かったですわ」


「?」


するとサヤが、ニャイアルをお姫様抱っこしたのだ。


「待って?!」


「こんなに可愛いくて、いつも以上に動いてるニャイアルちゃんを見れるのは久しぶりですわ。勿論リアルでも可愛いですわよ?」


「恥ずかしいからやめて?!」


 他プレイヤーからの視線を感じながらお姫様抱っこされるのは耐えれなかったニャイアルがそう叫ぶ。サヤは少し残念そうにしながら渋々やめた。


「ならリアルで今度」


「それももっとダメだから!」


「そんな恥ずかしがらなくても大丈夫ですわ、慣れてますもの」


「そう言う問題じゃないから……」


 現実世界でもよくこんな感じの会話をしていた。そしてゲームの中ということもあり、いつもよりもスキンシップは増えていたのだ。


「そう言えば……またチュートリアルで言っていた事ですがこのゲーム、空腹度の概念があるみたいですわ」


「話逸らされた……ってそうなの?」


「一応私はまだお金はありますし、ニャイアルちゃんも今の依頼でお金は貯まりましたし何か食べましょうか?」


「はーい、色々屋台あったけどどうする?」


「ならニャイアルちゃんに着いて行きますわ」


「分かった」


 先程焼きそば等を買った場所へと辿り着く。サヤはクレープを、ニャイアルはたこ焼きを買った。


「あーん」


「はむっ、サヤも一個いる?」


「有り難く頂戴いたしますわね」


 それぞれ分け合いっこしながら食べ終わり、また冒険者ギルドへと向かうのだった。後ろから二人を見ている人物を見ている影に気づかないまま。

読んで頂きありがとうございます

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