二つ目の武器と試し撃ち
駆け足気味で走った先は晴翔の出店だ。変わらず客は来ていないのか暇そうにしている。
「はぁはぁ……」
「お、ニャイアルさんじゃん。そんなに急いでどうしたの?」
「ちょっと新しい狙撃銃が必要になってね」
「あー……その感じだと転職してウェポンチェンジのスキル手に入れた感じかな?」
「そそ、良い武器ないかなって来たんだよ」
変わり種の品揃えは多いので色々見ていく。見た目重視のものや、銃口から禍々しい煙が出ている物などがあるのだが一つ気になるものがあった。
「これは?」
「これかい? 燃費が悪くなった物だけど今のニャイアルさんにはピッタリかもね」
形は普通だが、白色の銃身に虎のような絵が描かれていた。
電虎子のスナイパーライフル
攻撃力:230〜490
効果:MP消費3倍で着弾時40%で麻痺。稀に雷属性ダメージ付与。
MP消費が三倍になるため迂闊には使えない。しかし都合は良かった。
「これ買うよ」
「じゃあ十五万だよ」
「はーい」
お金はまだ残っているのと、PKたちを倒した時に貰ったのがあるので懐はまだ大丈夫なのだ。早速装備して、試し撃ちのためにビッグボアへと挑みに行く。
前は苦戦したが今はレベルが上がってスキル等が強化されてるため多少は戦い易くなっているはずだ。先ずはいつも使っている方に切り替えておく。
「ウルル、今度は死なせないよ! 《ボムショット》」
「ガゥッ!!」
真正面から弱点である後ろ足を狙うのは難しいため先ずはボムショットで様子を見る。爆発を喰らったビッグボアは悲鳴をあげてよろめきながらも突進をする。
しかしスピードがだいぶ削がれているため避けるのは容易だった。そのまま背後へ回って後ろ足へと一発入れる。
「ブルァッ?!」
「はいはい、《ウェポンチェンジ》《ブリーズショット》」
手に持っている武器が一瞬にして変わる。そして風を纏った魔弾が放たれたのだ。ビッグボアは回避しようとしてもウルルに邪魔をされて思うように動けていない。
そして運の良いことに一発のみでビッグボアは麻痺状態にかかり痙攣して動けなくなってしまった。
「よーしウルル、仕返しだよ」
「ガゥッッ!!!!!!」
その後はボコボコにして、ウルルは満足したように尻尾を振っていた。結果としては強力だがやはり消費が激しい。
「ま、切り札ってとこかな」
そう言って自由都市リーフへと戻り、回復薬などを買った。恐らく今回のボスもかなりの長丁場となるはずだ。リソースはあるに越したことはない。
(ふぅ……サヤも強くなってるはずだし役に立たないとね。面倒くさがってばっかじゃやってられないし)
そしてニャイアルは休憩するためにログアウトしたのだった。
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