自由都市と新たな防具
自由都市の中は大理石で作られた建物が多く見られた。道にはたまに今まで見なかったNPCの馬車が通っていた。
中央には大きく女神の像が建っていて、観光名所にもなっている。そんな街を二人は歩いていた。プレイヤーの数もそれなりにいるので出店地帯も期待出来る。
「今までの街と全然違うなぁ」
「冒険者ギルドに行って依頼を確認したら色々見て回りましょうか」
そう言ってニャイアルたちは目的地へと向かう。冒険者ギルドも大理石で出来ていた。依頼の方はスピンバードと言うサギに似た鳥や、鉱石の納品と言ったものまである。
「そろそろ鉱石が必要なのかな」
「ニャイアルちゃんの武器を作るなら必要ですわね、今は晴翔さんから購入出来ますが持ってて損はないですわ」
「ま、そだね」
一旦その場を後にして次はプレイヤーの出店地帯へと向かう。数は見た中では一番多く見えた。ニャイアルたちは欲しいものがないかゆっくり見ていく。
「そろそろ初心者シリーズをなくしたいんだけど……」
「何か良い店があると良いですわね」
そのまま探していると何処かから男性の大きな声が聞こえた。距離が遠いので近づいてみると何を言っているのかが聞き取れる。
「在庫処分! 在庫処分でーす! 今ならお安くしますよー!!!!!!」
「うっさ……って僕たちに似合いそうな奴あるじゃん」
「行くしかありませんわね」
周りを見れば余りの声の大きさに少し引いていた。しかしそこにはニャイアルたちの目を引くものがあったのだった。
その出店の目の前まで行くと、半裸で髪は真っ赤な青年のアバターのプレイヤーが期待に満ちた目で見つめてきたのだ。
「お客さんなのか?!」
「うん、そーだけど」
「見て行っても良いでしょうか?」
「そりゃあ勿論!」
そこには迷彩柄の服やズボンにフリフリの巫女服があったのだ。二人の今の装備は言うなればチグハグなので願ったりだった。
「これはお幾らですか?」
「全部一万だ、千円にしようと思ったら同業者に止められてな」
「なら一式で買いましょうか」
「僕もこれとこれ買うよ」
「見た目重視で性能は二の次だけど良いのか? 自分で言うのもなんだが他の店の方が性能は高いぞ?」
「大丈夫」
「問題ありませんわ」
「そうか、なら毎度ありだ! 後俺の名前は明月だから覚えてくれると嬉しいな」
二人は早速買った装備に切り替える。見た目重視と言っても性能は買ったものより良かった。
魔鉄糸の迷彩服
防御力:30
効果:足音などが少し聞こえづらくなる。
魔鉄糸の迷彩ズボン
防御力:25
効果:回避行動が僅かに取りやすくなる。
サヤの方も似たような感じだったそうだ。満足した二人は明月に礼を行ってその場を後にしたのだった。
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