これから
「第四の街に行くのも良いですが……他の街によるのも良いですわね」
「他の街ってどこにあるの?」
「第二の街の東と西にそれぞれ道がありますわ」
雑談配信が終わったあと、二人はこれからどうするかを話し合っていた。そこで話に出たのが寄り道だ、新しい所に向かえば当然新しい物も手に入る。
「ま、行ってみよっか」
「なら最初は西側に自由都市リーフと言う街に向かいましょうか。ボスも居るので明日も配信しながら攻略ですわ」
「はーい、ならステータス確認もしないとね」
「そうですわね」
PKたちが落としたお金と少しばかりのアイテムも勿論、多少の経験値も入っているのだ。慣れてきた手つきで画面を開く。
名前:ニャイアル
種族:猫又lv8→9 職業:狙撃魔銃士lv7→8
HP:120 MP:270
筋力:9
頑丈:12
器用:10
敏捷:24+4 【種族ボーナス】
精神:24+3
知力:24→27+4 【種族ボーナス】
スキル:【魔銃ダメージ増加lv4→5】【チャージショットlv3→4】【ボムショットlv1】【精神強化lv3】【鑑定lv1】【消音lv1】【魔力探知lv2】
SP:9
STP:0
装備:武器【白金のスナイパーライフル】頭【無し】体【魔銃士の迷彩服】腕【無し】脚【初心者のズボン】靴【ボアの靴】アクセサリー【深緑のシュシュ】【革のポーチ】
名前:ウルル
種族:スピードウルフlv8→9
HP:150 MP:110
筋力:16
頑丈:15
器用:5
敏捷:36→39+2 【種族ボーナス】
精神:11
知力:5
スキル:【危機察知lv2】【近接攻撃ダメージ増加lv1】【悪路走法lv1】
SP:1→4
STP:0
装備:武器【無し】頭【無し】体【無し】足【無し】アクセサリー【無し】
ウルルの敏捷値がついに四十を越えた。これからもその素早さは彼女たちを助けるだろう。ニャイアルも威力を上げるためにSPも消費した。
そして次の日、今度は朝方から配信が始まる。二人は既に配信を始める前に第二の街へと移動していたため、ウルルを呼び出して東へと向かうだけだった。
視聴者のコメントから沼地で少し移動がしずらいと出ていたがボアの靴と、ウルルの方は悪路走法があるため問題にはならなかった。
地形は濁った池が所々にあり、木も枯れてはいないものの腐敗している雰囲気だった。地面もぬかるんでいて全体的に不気味な空気が漂っている。
敵は紫の斑点が出ているカエルや、これまた毒々しい色の巨大な蛾が飛んでいた。勿論紫色のスライムも元気に跳ねている。
「気持ち悪っ……」
「そうですか? 少し可愛く見えましたわ」
毒らしき液体や粉を飛ばして来るがニャイアルたちの前ではただの的として処理された。そこまでMPも消費せずにボス戦前のエリアへと着く。
フィールドボス《ビッグフロッグ》へ挑みますか?
YES/NO
YESを押すと大きめの岩が数個あるジメジメとした所へ転送された。そして奥から、道中で襲ってきたカエルを大きくしたような見た目だ。
「気持ち悪いからさっさと倒そ……《ボムショット》」
「お願いしますわね?」
「ガゥッ!」
流石のサヤもこれには少し引いたようだ。ビッグフロッグの攻撃手段は舌で殴る、押し潰すの二つだったのと単純にニャイアルたちの強さが適正レベルを越えていたため簡単にHPを半分削る。
「ゲロオオオオオ!!!」
「毒液撒き散らしてきた?!」
「逃げるしかなさそうですわね」
後半戦になるとビッグフロッグの口から毒液の塊が次々と吐き出される。落下地点には影があったため避けるのは簡単だが、行動が制限される。
「弱点はどこ?!」
「自信はありませんが目ですわ!」
「分かった、《チャージショット》」
確かに目は大きい。しかし瞬きをするためタイミングを待つ必要があった。チャージショットの溜め時間が終わると同時に魔弾は放たれてビッグフロッグは悶絶する。
そのあとは全員にボコられてビッグフロッグは消え去った。奥へと進む道も現れる。
「二度と戦いたくない……」
「そうですわね……」
「ワフッ?」
二人は少しゲンナリしながらも自由都市リーフへと足を踏み入れたのだった。
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