雑談配信
街に戻った二人は、カフェの個室へと入る。理由はニャイアルが泣きかけの状態だったからだ。配信を終わるにしても早すぎるので雑談配信へと切り替える。
「ごめん……」
「私もあのような方に狙われたらそうなりますわ、よしよし」
「ん……」
そして現在の状況は、ニャイアルがサヤの膝に乗せられて頭を撫でられていた。抵抗していないので視聴者から見れば姉妹にも見えるかもしれない。
「しかし……何を話しましょうか」
「んー……質問募集してみたら?」
「そうしましょうか」
視聴者数は六百人以上となっている。それなりにコメントの流れもあったので直ぐに質問は集まった。
「先ずは何で配信活動をしようと思ったのか、ですわね」
「まぁ僕は気付いたらそうなってたって言うのが正解なんだけど……」
「私が誘いましたわ、小銭稼ぎ兼ニャイアルちゃんと一緒にゲームやりたいと言うのが本音ですわね」
本当のことを言うわけにはいかないので当たらずとも遠くないことを言う。なお半分は本心だそうだ。
名無しさん:どちらに比重が傾いているのだろうか
名無しさん:多分もうすぐ絵師がファンアート描く可能性あるなwww
名無しさん:今描いてるから待って
名無しさん:oh
名無しさん:サヤとニャイアルちゃんの好きな食べ物は?
「ベタなやつ来たね、僕はオムライスだよ」
「私はお寿司ですわ」
コメント欄はニャイアルちゃん可愛いで少し溢れていたが、サヤの方にも質問が来る。
名無しさん:サヤってリアルお嬢様?
「ふふ、どうでしょうかね?」
「僕もノーコメントで」
二人とも満面の笑みでそう答える。その他にも次々と来ていた。
名無しさん:サヤお嬢様の方はともかくニャイアルちゃんの種族何?
名無しさん:魔銃士と祈祷師だけで戦い辛くないの?
名無しさん:ウルルってもふもふ?
「僕の種族は……千里眼って所のギルドが知ってるよ」
「私とニャイアルちゃんはお互いに考えてることが何となく分かるのでそこまで感じてませんわね」
「うんすっごいもふもふ」
ニャイアルとサヤの種族の情報はそれぞれ百五十万ほどで売られていると別の視聴者が言った。二つ目に関してはじゃんけんで最低でも五回はあいこになるレベルだ。
「後は……」
「お互いの好きなところを言ってください、これにしましょうか!」
「え、ほ、本当に?」
「問題ありませんわ。先ず私から、根は優しい子で頭を撫でられると気持ちよさそうにしたり多少の無茶振りをしてもしっかり答えてくれるところだったり」
「ストップ! 言いすぎ!」
「そうですか? まだありますわよ?」
「もう良いから……うぅ。次は僕! 僕の我儘を聞いてくれるところ! これで良いよね」
「顔が真っ赤ですが大丈夫ですか?」
「言わないでよ?!」
ニャイアルは顔を赤ながらも答えた。サヤは愛おしそうに頭を撫でてハグをする。この日だけでチャンネル登録者数が三百人ほど増えたのだった。
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