賽は投げられていた その2
二人はやー子の工房の中へと入る。外見は木造造りの質素な感じだったが中の様子は違った。木製の磨かれた白いカウンターがあり、その奥には色々な器具が雑多に置かれていた。
壁にはやー子が作った物が色々かけられていた。現実ではまず見ないであろう光景にニャイアルは周りをきょろきょろと見渡している。
「ようこそ、私の工房へ! ちょっと散らかってますけど気にしずに!」
「おぉ……」
「これは……凄いですわね」
「大金払って手に入れた価値はあると思います!」
やー子はそう言って無い胸を張る。上と下に続く階段もあったのでかなり広いのだ。一通り見て回るだけでもそこそこかかるだろう。
やー子はニャイアルたちをカウンターの奥に招くと、三人分の椅子とカップに入れられた紅茶を用意する。
「このカップは……お自分で作られたのですか?」
「はい! まぁ暇な時に作った物ですけどね、現実の高級品を真似して作りました!」
「やはりですか、道理で見た事あると思いましたわ」
「色々作れるんだね?」
「伊達に生産職をやってませんから! アクセサリー作りが一番得意ですけどね」
やー子はチェックシートと羽ペンのようなものを取り出して質問を始める。内容は職業や種族名、どのようなスキルを持っているか、プレイスタイルはどのような感じかetc……かなり細かく聞いていた。
質問は五分ほどで終わりやー子は目の前でアクセサリー作りを始める。素材も彼女が元々持っている物を使うそうだ。
「〜♪」
「一つ気になったのですが、何故やー子さんのような前線でも十分活躍出来そうな生産職がここに?」
「それはですね……前線の方針が嫌で文句を言ったら追放されました!」
「方針?」
「ほんっっっっとうに前線の連中は碌でもないですよ! 生産職は人権が無いので扱いも酷くて……だから追放されたのはある意味運が良かったんですよ!」
「それは大変でしたわね……」
「うわぁ……」
やー子はその時のことを思い出したのか少し嫌そうな顔をしていた。そんな会話をしている合間にどうやらアクセサリーが出来たようだ。
「出来ました! これでどうですか?」
森護りし者のリボン
防御力:40
効果:装備者がエルフ系統の場合、魔法ダメージ40%増加、MP消費減少20%、火属性被ダメージ10%減少。
見た目は綺麗な緑色のリボンだが、序盤に手に入るものとしてはぶっ壊れに近いだろう。二人が驚いた顔をしているとやー子は気まずそうに笑う。
「あくまでも割合なのでレベル相応にはなっていると思います! ニャイアルさんも何か作って欲しい物があれば言ってください!」
「うん、分かったよ」
「ありがとうございますわ」
「出来ればやー子の工房をご贔屓に! お二人なら割り引きもしますよ! 後フレンド登録も!」
「そうでしたわね、フレンド登録もしておきましょうか」
「はーい」
ニャイアルたちはやー子とフレンド登録をして一旦その場を後にした。
読んで頂きありがとうございます




