一緒にご飯
夕食のタイミングを逃してしまった二人、しかしお腹は減っているものの自炊する気力は残っていなかったが、そこで紗夜が一つ提案した。
「私の方も今日はお母様とお父様が出張をしていて家に居ないのですが……一緒に外食でもしますか?」
「良いけど僕は金あまり持ってないよ?」
「ニャイアルちゃんの小食具合なら私でも奢れますわ」
「あはは……奢ってもらうのはなんだか気が引けるんだけど」
「決定事項なので覆りませんわね。何処に行きますか?」
少し強引に紗夜の奢りになることが決定したが、筑紫が小食なのは本当のことである。たまにこうして奢ってもらっているのだ。
「近くの寿司屋行く? 回る方の」
「回らない方ではないのですね?」
「そりゃそだよ?!」
サヤは金持ちのお嬢様なのだ、勿論高級寿司屋の方にも行ったことがある。二人は現実で会うためにログアウトして、寿司屋で合流することにした。
「外着外着……これで良いや」
上も下も黒の半袖半ズボンに着替えて外に出る。勿論財布は持って出ている。寿司屋の前に着くと、黒いゴスロリスカートを着た紗夜が待っていた。
「待った?」
「大丈夫ですわ、行きましょうか」
店内は運良く空いていてすぐに座ることが出来た。二人は茶碗蒸しや好きな寿司を頼みながら雑談をする。
「つい先ほどのことですが……日程はまだ決まっていませんが私たちとコラボしたいと言う方が現れましたの」
「コラボ? まだ初配信しかしてない僕たちに?」
「えぇ、そのようですわ。お相手は数年以上動画投稿者として活動をしていらっしゃるシルクロードさんと言う方です。見ている限りだと悪い話でも無いと思いますわね」
紗夜が見せてくれたDMを見ると、丁寧な言葉遣いやメリットの提示などをしてくれていた。
「あー名前だけ聞いたことあるよ。家帰ったらシルクロードさんの動画確認しておく」
「私はまだそちらの知識は少ないのでお願いしますわね。このコラボの返信は受ける、でよろしいですか?」
「うん、そーしといて」
その話はそこで終わり後は夏休みの予定や宿題のことなど、高校生らしい会話をしながら解散となった。ちなみに奢ってもらった金額はギリギリ千円行かなかったと言う。
早速筑紫は家に戻りシルクロードのチャンネルを確認する。平均視聴回数は二十万台を越えていてかなり人気だと言うのが見てとれる。
しかしコラボ動画などは一つも見当たらなかった。筑紫は疑問に思いつつもサヤにそのことを伝えた。その後、お風呂に入った後にゲームの中へとログインしたのだった。
読んで頂きありがとうございます、短めなのはごめんなさい




