再集合
ゲームからログアウトした夜、紗夜は筑紫に高そうな寿司を食べさしている。
「癒猫ちゃん、あーん」
「はむっ……」
「君たちはやっぱり仲が良いね」
「え、えと本当に食べて良いんですよね……」
「お嬢様、私もここに居て本当によろしいのでしょうか?」
「えぇ、大丈夫ですわ。全員連れて来られないのが残念ですが」
筑紫たちは回らない寿司屋に来ていた。そこにはメイド長や天音、晴翔も居る。そんな中でもいつも通り紗夜と筑紫はいちゃついている。
「それで……わざわざ全員集めてここに来た理由は何かな?」
「女王蜂の件、ですわ」
「じょ、女王蜂……? 少しだけ知ってます」
「僕たちだけじゃどーしても倒せなさそうなんだよね……」
「客からの愚痴である程度は知ってるよ、ただ僕は生産職だ。せいぜい出来ることは武器の販売だよ」
「私も戦える自信が……」
晴翔はそう言って紗夜を見る。雨音も下を向いて断ろうとしている。
「確かに晴翔さんは生産職ですが……戦えない訳ではないのでしょう? 前のパーティーでの戦いでは下手な戦闘職よりも動けていたような気がしますわ」
「……」
「それに加えて烈火の怒りなどの上位ギルドも何やら関わっているそうですわ」
「千里眼との関わりは?」
「今回はありませんが名前は出ましたわね」
「……明日僕の店に来て欲しい、その時に協力するかどうかは言う」
「分かりました、雨音さんは……」
「……あのモフモフちゃんは今も居るんですか?」
「モフモフちゃん……ウルルのことでしょうか」
「一緒に戦ったり触ったりして良いならや、やります」
「う、うん。撫でたりするくらいなら良いと思う」
「ありがとうございます! 前は我慢してたので……」
「ふふ、ウルルは可愛いですからね」
その後寿司を食べ終わって解散となった。雨音と晴翔が簡単に呼び出せた理由は偶然近くまで来ていた所を紗夜が発見し、今に至る。
他のメイドのお土産の寿司を持ちながら筑紫たちは帰路についていた。
「配信って明日だよね」
「そうですわ、騒ぎを避けるために女王蜂の討伐の話はギリギリまで言っては駄目ですよ?」
「ん、分かった」
「私たちが付き合ったことは言いましょうか」
「う、うん」
「筑紫ちゃんの口から」
「え?」
「その方が良いですわ、きっと可愛い姿が見れますし」
「拒否権は……」
「無いですわね、一日私に何から何までお世話されるならあるかもしれませんが」
「言うから!」
「ふふ、残念です。ではお願いしますわね」
本当に残念そうな顔をしながら二人は帰宅する。それぞれの思惑が絡み合う中、それがどうなるかはまだ分からないのだった。
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