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修学旅行は甘酸っぱく? その4

ツアーの後は別のホテルへと移動する。そしてその日の夜、クラスメイトとは関わらず温泉の端っこに居た筑紫に紗夜が近付く。


「他の方には行かないのですか?」


「行く必要ない……」


「そうですか……ですが私はその方が筑紫ちゃんとゆっくり話せますから嬉しいですわ」


「紗夜も行かなくて良いの?」


「問題ありませんわ」


筑紫はリラックスしながら、紗夜に少しだけ寄りかかっていた。寄りかかられた紗夜は嬉しげにこう囁く。


「少しだけ素直になってくれて嬉しいですわ」


「べ、別に首が痛かっただけだから!」


「ふふ、そう言うことにしておきますわ。本当に辛いならマッサージしますわよ?」


「……お願い」


「分かりましたわ」


紗夜は筑紫を自分の前に座らせて、揉み返しが起こらないように擦ってから始める。


「かなり硬いですわ……部屋に戻った後でもしなければなりませんねこれは……」


「え?」


紗夜も驚いているが、そう言われた本人が一番驚いていた。誤魔化す為に言った嘘がまさか本当にそうだったとは思ってなかったからである。


「……こんな小さい身体に色々背負わせてしまい申し訳ありませんわ」


「いきなりどしたの? あと小さいっていつつ……」


「そうですわね……ストレートに言えば金持ちのお嬢様と一緒に居る筑紫ちゃんは変な目で見られることもあったと思いますわ」


「全然気にしてない、紗夜は紗夜だし」


「それに配信活動の責任もありますし……」


「配信関係はほとんど紗夜がやってくれるじゃん、僕なんてただいつも通りにしてるだけだし」


マッサージをされながら筑紫はそう答えた。それを聞いた紗夜は不満そうな声になりながら返す。


「筑紫ちゃんのおかげと言っても良いほどチャンネルの人気はありますわよ? 現に私よりも筑紫ちゃんを応援する声の方が多いですわ」


「そうなの……?」


「えぇ、もう少し自信を持ったらどうですか?」


「自信なんて持てないし……少なくとも僕がこうしてられるのは紗夜のおかげ」


「……弓道部もそれで辞めましたわね、揉めたなんて嘘を何で言ったのですか?」


「紗夜には関係ないでしょ……そろそろのぼせるから上がらないと」


「分かりましたわ、マッサージの続きはどうしましょうか?」


「それはお願い」


「任されましたわ」


部屋に戻った後はうつ伏せになった筑紫の上に紗夜が乗り、続きをする。


「重くないですか?」


「大丈夫」


「少し不満そうですわね?」


「だって弓道部のこと言われるとは思ってなかったし……」


「本当に揉めたのなら、そう何度も呼び出される訳がないと思って友達に聞きましたわ。それに筑紫ちゃんは笑顔が似合いますわよ?」


「んっ?! くしゅぐらっははははっ?!」


「これで良いですわ」


「あっはははは?!」


ベッドの上で暴れるも紗夜からの拘束からは逃げられず、数分間くすぐられたのだった。

読んで頂きありがとうございます

間違えて息抜きの方にこの話を上げてしまい、尚且つ数日間気付かなかったことを謝罪致します

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