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修学旅行は甘酸っぱく? その2

ホテルでの夕飯や入浴を楽しみつつ、二人はベッドでくつろいでいた。話の内容は普段のことからゲームのことまでもあり雑多だ。


「そう言えば筑紫ちゃんは好きな人は居ないのですか?」


「居ない、だって恋愛とかに興味ないし」


「過去に恋人は居たのでしょうか?」


「それも居ない……ってかよく紗夜にはそのこと言ってるじゃん」


「一応の確認ですわ、新しく出来たりしてたら困りますので」


「てか何でこんな話し始めたの?」


「あら、分かってて答えていると思ってましたわ。それに顔も赤いですし」


「えっと……」


「ふふ、隠さなくて大丈夫ですわ。だって私も筑紫ちゃんのことが初めて出会った時から好きですから」


紗夜の様子は変わりはない。だが声は何かに焦がれているような、そんな声だった。筑紫は紗夜から目を逸らし、何かを誤魔化そうとしている。


「何か不都合なことでもありますでしょうか?」


「だ、だって僕は女の子だし」


「それが何か問題ですか? もう既にお父様には報告済みですわ」


「えっと…‥あ、あれ! 周りから変な目で見られるかもしれないし」


「……」


「紗夜にはもっとちゃんとした人が居ると思うし」


「…………」


「だ、だから僕が紗夜と付き合えるわけないから……」


「筑紫ちゃん」


「な、なに?」


「せめて二人っきりの時くらいは素直になりましょう? 筑紫ちゃんに嘘は似合いませんわ」


「……」


そう言われて筑紫は黙る。そうしていると紗夜は筑紫に近付き、手首を掴んで押し倒す。


「筑紫ちゃんはズルいですわ、十年以上も我慢しました。でも告白はおろか隠すばかりで何もして来ませんし」


「なら僕が紗夜のこと好きだって言う証拠は?」


「その顔が証拠ですわ、それに寝言で私の名前を言いながら好きを連呼していた時もありましたわよ? 録音していますから流しましょうか?」


「やめて?!」


「ふふふ……修学旅行の間に絶対に筑紫ちゃんを素直にさせて堕とすことを約束しますわ。必ず、ですわ」



「いきなりそんなこと言われても……」


「これで無理なら諦めますわ。ですが筑紫ちゃんはそれまで一切否定しませんわね?」


「……」


紗夜は筑紫をどんどん攻めて行く。紗夜の顔は真面目であり、好きな人の前で幸せそうにしている乙女の顔でもある。


「……今日は早く寝ないと、明日も早いし」


「六時起床ですわね……残念ですね」


「……何で僕の隣で寝ようとしてるの?」


「抱き枕にしようとしただけですわ、抱き心地が良いですので。 拒否権はありませんわよ?」


「……」


力では紗夜には敵わない、それを知っている彼女は抵抗を諦めて素直に寝ることにした。


(本当に素直になって良いのかな……)


心の中で少し迷いながら、紗夜の体温を受けながらそのまま眠りについていった。

読んで頂きありがとうございます、ここから数話の間はようやく百合回です。

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