スケルトンキング戦 その1
スケルトンキングは斧を勢いよく振り下ろす。地面は少し割れており、例の如く直撃したら一発で死に戻りだろう。
「無理せず着実にダメージを与えてください!」
「ニャイアルちゃん、ウルルを借りますわよ?」
「分かった、《ボムショット》」
「ガゥッ!」
ウルルはスキルを発動させて全速力で駆けて行く。この状態なら壁走りも可能になったのである程度は安全に行動出来るのだ。
ボスは杖を上に掲げて複数の火球を浮かべる。そしてウルル以外を少し追尾しながら彼女たちに迫って行った。
「《マジックスラッシュ》」
「追尾は止めて欲しいんだけどっ……!」
「危ないですわね」
シルクロードはスキルで魔法を切断した。このスキルは純粋な剣士が使う物よりもダメージは低いが、その代わり一部の魔法を切断出来ると言うものだ。
ニャイアルとサヤは回避しか難を逃れる手段が無いため引き付けてからギリギリで避けている。そこから即座に構え直して反撃に出た。
「《ダブルショット》」
「《石獄の祈り》」
「ガゥッガォッ!」
「《エンチャントウィンド》《アースアロー》」
シルクロードは剣に風属性を付与しながら、土属性の魔法を放ちウルルはチマチマと攻撃しながら少しでもボスの気を引いている。
スケルトンキングは余り効いていないのか、気にする様子も無く攻撃をしている。魔弾が当たった時も硬い物に当たった音が響くだけなのだ。
サヤの詠唱時間が終わり、拘束するが一秒後には既にヒビが入っておりもって数秒だった。だが確実にその間は攻撃が止む。
「《チャージショット》」
「《岩雨の祈り》」
「《アーススラッシュ》」
「ガゥゥウッ!」
ウルルの突進が入り、その後にニャイアルたちの攻撃が続く。すると頭部から腰へと、鎖に繋がれたまま紫色の炎を纏った球体が腰辺りへと落ちて来たのだ。
「弱点?」
「そのようですわね」
「少しずつ頭部へと上がっているので早くたたいてしまいましょうか」
「ワゥッ!」
スケルトンキングはその場に崩れ落ち、動かなくなった。目の部分にあった紫色の炎も消えている。これでようやく有効打が入るのだ。
シルクロードは魔法を放ち、ニャイアルとウルルは確実に攻撃を当てつつサヤは切り札の一つを使うことに決めた。
「《魔皇の祈り》」
女王蜂と見た時と同じように、サヤの背後に複数の小さなブラックホールのような物が現れ始め、全て現れるとそこから緑、灰、白の魔力の球体が一斉にボスへと飛来する。
前回は雑魚の掃討の為に使ったが、敵が一体しか居ないと全て同じ場所へと飛んで行く。効果時間が終わると何かにヒビが入ったような音が鳴る。
「これを繰り返せば良いのかな?」
「と言うことは攻撃パターンが変わるかも知れません、警戒を!」
シルクロードが言った通り弱点が頭部に戻ると、杖を地面に刺して両手で斧を持った。そして大きく振り上げて振り下ろす。
「これは……離れてください!」
「ぅわっ?!?!」
「衝撃波ですわ……」
「グルルルル……」
斧が当たった地面から数メートルの空間に目に見えるほどの衝撃波が生まれていた。ボスはまた即座に斧を構えて、第二フェーズとでも言うように動き始めたのだった。
読んで頂きありがとうございます
溜め時間よりも詠唱時間の方がしっくり来ますね(今更)
時間があり次第少しづつ訂正して行きます