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錬金術師は眠らない その8

「解毒薬を持って来たのは正解でしたわ」


「予想はしてたけどHPの減りが想像以上にヤバかった……」


ニャイアたちは未だ激しい戦闘をしていた。液体の正体は猛毒であり、彼女たちのHPでは秒で溶けてしまうほど強かった。


幸い凛林から貰っていた解毒薬で解毒出来たが、多くは持って来ていないので回避に専念するしかないのだ。


女王蜂は翅を狙われたことで機動力は落ちているものの、毒液をショットガンのように飛ばして来たのだ。障壁を使っていたサヤと、横に回り込んでいたウルルは助かったがニャイアルが運悪く当たってしまう。


「これじゃ狙撃の隙がないっ?!」


「ですね?!」


「ガゥッ!」


再び毒液を飛ばして来たがニャイアルは即座に伏せたが、サヤはちょうど魔法の溜め時間で動けなかった所をウルルが突き飛ばし間一髪で助かった。


ウルルも突き飛ばした瞬間にバク転をする事で毒液から難を逃れる。唯一の救いは連続で毒液を発射して来ないことだ。


「《鈍足》」



「《ブリーズショット》《ボムショット》」


サヤがバフを準備し、ニャイアルは機動力を潰してから本命の王冠を狙う。鈍足の溜め時間もそれなりに短くはなっているため、ボムショットまでに間に合うのだ。


動きが鈍くなった女王蜂に翅への追撃が加わり少し体制を崩す。そこに狙い通り王冠への魔弾が届き、爆発した。


「……ギリギリ落ちなかったかぁ」


「そのようですわね……ですが希望は見えてきましたわ」


「だね」


粘着質のある液体が揺れる音がサヤにも聞こえるくらい大きく鳴った。しかも一瞬黄金の液体が少しだけ見え、王冠の位置も少しズレていた。


ニャイアルはウルルに回復薬を飲ませつつ、女王蜂が悲鳴をあげていることに気付いた。蜜の回収だけなら後少しだろうと予想する。


(今は無理だけど絶対討伐してやる……サヤも多分同じ気持ちなはずだし)


(ニャイアルちゃんは討伐したいでしょうが我慢ですね、私も同じですが)


(ガゥッ!!!)


ニャイアルたちは何故か考えていることが一致しながらも、希望が見えたことにより動きが良くなりながら少しづつ追い詰めて行く。


「サヤ、決めるよ。《ウェポンチェンジ》《チャージショット》」


「えぇ、《石獄の祈り》」


地面から伸びた石で拘束された女王蜂は必死にもがく。ヒビが入ったが、チャージショットの溜め時間の間止められれば充分なのだ。


電虎子のスナイパーライフルを構えたニャイアルは慎重かつ素早く王冠に照準を向ける。


「ピ〜ッ?!」


その魔弾は王冠へと直撃し、辺りに黄金の蜜が飛び散った。離れていても少し甘い匂いがしている。女王蜂は今のは効いたのか動けずにいた。


「急いで回収しますわ!」


「これで落ちなかったから危なかった……」


ニャイアルは蜜を回収しながらMPゲージを見る。ほぼ空になっており、もうこれ以上戦闘は無理だろう。


「じゃ、またね」


「必ず討伐します」


「ワゥッ!」


ニャイアたちは女王蜂が再び動く前に撤退し、ギリギリの所で蜜の回収に成功したのだった。

読んで頂きありがとうございます。ちなみにニャイアルたちが削れた女王蜂のHPは4割です。

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