新たなる武器
プレイヤーの出店地帯はこれまでより一段と設備が整っていた。品揃えも多くなっており、期待が出来る感じだった。
晴翔の場所も例外なく品揃えは増えていた。スナイパーライフルも様々なものが置いてある。
「思ってたより早いね?」
「特に苦戦はしなかったし」
「えぇ、デバフ盛り放題でしたわ」
「二人と一匹で何とかなるような相手じゃなかったはずなんだけどな……ま、良いや。ゆっくり見て行ってよ」
「そうしますわ」
「うん」
値段も数割高くなっているが手を出せないほどではない。だが全装備を替えるとなると考えて選ばなければならないのだ。
ニャイアルが今持っているスナイパーライフルの上位互換から、強力だがMPが半分持っていかれる物など様々だ。
ニャイアルたちは迷っていると晴翔から一つ提案された。
「君たちの戦い方は何というか変わっているからね……前線に居る祈祷師とそれを支える狙撃者、足が速い狼。表に出してるものじゃ合わない気がするよ」
「表?」
「……まぁ君たちになら出しても良いだろう。少し癖はあるがご期待には添えるかな」
彼は奥に消え、少しするとサヤとニャイアル用の武器を持って帰ってきた。それぞれ少し異質な雰囲気を纏っていた。
「説明するよりも鑑定で見た方が早いと思うよ?」
「はーい」
「楽しみですわね」
ニャイアルたちは鑑定を使い、少し重く白めの迷彩柄に血のように赤い金属で六芒星が象られているスナイパーライフルと持ち手以外は太く長い枝をそのまま使っているお祓い棒の性能を見る。
火紅鉄のスナイパーライフル
攻撃力:190〜280
属性:火
効果:急所攻撃時ダメージ10%増加。敵を倒す度に攻撃力1%上昇(最大上昇量10%&10時間持続)
魔樹のお祓い棒
攻撃力:145〜300
属性:自然
効果:祈祷師系の魔法の威力と範囲が少し上がり、90秒間自然の障壁を四十分に一回貼ることが出来る。
晴翔からの説明によると確実に属性ダメージを与えられる武器になると属性の欄が追加されると言う。
「スナイパーライフルの方は射程は今使ってるのよりちょっと長い程度、自然の障壁は火の障壁が緑色になったバージョンだよ。属性武器の方が総合的なダメージは高くなるけど効かない敵も居るから元の武器も持っておいた方が良いかもね」
「分かった、大切に使うね」
「感謝しますわ」
「どっちも十三万G、安いと思うよ」
代金を支払い、次に行く場所を話し合う。
「次は? 防具?」
「防具も大事ですがアクセサリーを優先しましょうか」
「アクセサリーか、なら魔山も来てるから寄ってみたらどうだい?」
「シュシュ売ってくれた人ね、うん。寄ってみるよ」
「かなり集まっていますわね」
「そりゃ一応ここから色んな国や場所に行けるからね。起点にもされてるから人も集まるさ」
「ふむふむ……それじゃまた今度ね」
「また来たますわ」
「今後ともご贔屓に」
そう言ってニャイアルたちは次の場所へと向かうのだった。
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