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④実際の飼育を、順を追って妄想してみる(2)


 (続き)



 さて、用品が揃ったところで、セッティングをします。


 置き場所ですが、最も重要になるのは室温。

 先に説明すべきでしたが、デグーの耐えられる室温は16~30℃程度だと思われます。


 ですが、これは16℃に数ヶ月とか、30℃に数日置いても大丈夫という意味ではなく、適温は20~24℃くらいです。それを下回ったり上回ったりしても耐えますが、長くそういう環境だと恐らくあっさりと死んでしまうでしょう。

 元々の野生下では、暑い時間や寒い時期は巣穴で過ごしています。なので飼育下でも、同じような環境が必要になってきます。


 具体的には、地下室やエアコンですね。

 大多数の方はエアコンでの管理になるでしょう。ゆえに、リビングと続く隣室や自室、アパート、専用の部屋などで飼うことになると思います。


 そこに、今回の例だとイージーホーム60(50×62cm)なので、それより広く取れる場所を用意します。

 環境にもよりますが、床にはベニヤ板+発泡スチロール板を敷き、その上に段ボールを敷いてケージを置くと騒音・汚れ対策になりますよ。


 さらにケージの周囲を段ボールで囲み、前面だけ開いた状態にできれば最高です。これは、デグーの排泄物やゴミが飛び散るのを防ぐためです。

 しかも、暑さはともかく寒さ対策にもなりますから、オススメです。経験上、冬場はこれに古い毛布と温かい巣材だけ用意すれば、そこまでガッツリ室温調整しなくても問題ありません。


 ちょっと話は逸れましたが、そんな感じでケージをセットしたら、エサ入れ、水飲み、砂浴び容器、回し車、足場、巣箱などをセットし、準備完了。

 もし実際にデグーさんが来る日付が決まったら、その前日の夜などに砂とチモシー、ペレット、水を入れておきましょう。当日に慌てないように。





 さあ、いよいよデグーさんと出会う時です。

 今はネットで買えば、生体が送られてくるサービスもあるようですが、やはりオススメはショップで実際に見て買う方ですね。断然。


 よく、健康状態がどうのこうの、歯がどうのこうの、自分に寄ってくるかで慣れやすさを確認……などマニュアルめいたものがありますが、私はただフィーリングを重要視してほしいと思います。

 もちろん健康状態や体の欠損などが重要なのは言うまでもありませんが、それを気にし過ぎてフィーリングの合わない子を迎え入れるのもどうかと。


 こんなことを言うのには理由がありまして、実は私が最高だと紹介したうちの初代ちゃん……実は尻尾が無い子でした。もしこの時点で「欠損ありだから駄目」と言っていたら、私の最高の出会いはなかったでしょう。

 そして、今いる子どもたちのパパデグーさんなんて、尻尾が欠けている上に人に全く馴れない子でした。ですがパパになり、今では七歳まで生きて私の手からオヤツを食べてくれています。


 だから、明らかに不健康だったりしない限りは、フィーリングを重要視してほしいのです。そうしたら情も移って互いに幸せになれるかも。



 さて、また話が逸れました。

 それでは、これからショップに向かいます。


 準備するものは蓋つきのプラスチックケース。チモシーを少し入れます。

 もし車なら、安定する場所にクッションや緩衝材で固定できるセッティングをしておきましょう。


 あと、長時間の移動の場合は天候の悪い日や猛暑・寒波の日は絶対に避けてください。デグーさんの命を預かるので。



 さて、ショップに着いたあなたが中に入ると、小動物コーナーから「チュイッ!」と鳥のような声がします。

 そして、あなたの目の前には一匹のデグーが。仮にこの子を「A子」として妄想してみましょう。


 A子はあなたの姿に反応し、近寄ってきてくれました。

 けど、尻尾の先が欠けてます。しかも日本生まれではなくチェコ出身。


 でも大丈夫。デグーの尾欠けは意外とよくあることですし、日本だろうとチェコだろうと言葉が通じないのは同じ。問題ありません。

 そして健康状態もよさそうです。ショップの店員さんからもお墨付きをもらえました。価格もギリギリ予算内です。


 購入を決めたあなたは、A子をプラスチックケースに入れてもらうよう店員さんにお願いします。その際、店のケージに入っていた敷物や巣材(臭いが付いたもの)を少し入れてもらうのも忘れずに。

 そして会計を済ませると、あなたは車の助手席にセットした緩衝材の中心に、そのケースを置きます。ここから、A子との最初で最後かもしれないドライブがスタートします。


 さて、この時……ケースにはハンカチなどを被せて見えないようにしましょうか。

 だって運転中に気になって、わき見をしてしまうかもしれないから。どちらかというと、あなたのためです。


 たまに聞こえてくるガサガサという物音や、「チュッ」という鳴き声。

 それを気にしながらも、安全運転で帰ります。


 もちろん、寄り道なんてしません。

 休憩はいいですが、買い物などは先に済ませておいてください。


 そうして家に着いたら、ただいまと手洗いうがいの直後、まずはA子さんをケージに移す作業が最優先です。

 この時、部屋のドアは全て閉めておきます。万が一、A子さんが驚いて飛び出し、逃げ出した時のために。


 ケースの蓋をそっと開け、ケージの入り口にくっ付けます。

 あとは、A子さんが自分から移動してくれるのを待ちます。


 ……十数秒後、A子さんは周囲を警戒しながらゆっくりと動き出し、ケージの方へ向かいます。そして、意外とあっさりケージへと入りました。

 ここで油断しては駄目。急にケースやあなたの体を動かすと、それに驚いたA子さんが元の場所に戻ろうとして飛び出すかもしれません。


 ゆっくりと、そ~~っとケースを入り口から離して、音を立てないようにケージの入り口を閉めます。無事に閉まったら、ロックやナスカンも忘れずに。



 ――――さて、これでデグーさんの入居は完了しました。

 あとは、あまり構わないように見守りましょう。


 え? 早速遊びたいって?

 駄目です。新しい環境に慣れるまではそっとしておきましょう。


 私の経験上、最速の子だと三~四日、遅い子でも二週間程度で落ち着きます。

 あまり初日から構うと疲れて弱りますし、警戒しやすくなってしまいます。


 かといって構わずにいても警戒が解けません。

 近付いて声をかけたり食べ物を補充したりしてみて、その際に近寄って来るくらいに馴れたら、ケージ越しに手からペレットやオヤツを渡してみましょう。


 もし、興味を示してクンクンと臭いを嗅いでくれたら、なるべく体を動かさずに手渡ししてみます。

 そして、食べてくれるようになったら、徐々にケージ越しではなく直接渡してみましょう。この時、常に脱走対策(部屋のドアを全て閉めるなど)は忘れずに。


 絶対に急に動かないように。ビックリすると、中には気絶する子もいますから。動く際にはゆっくりと。

 そうして、徐々に徐々に、少しずつ絆を深めていってください。




 A子はその後、一番刈りチモシーを好んで食べる子になるかも。

 そうすると、せっかく買った二番刈りチモシーが余ってしまいます。


 いっそ床材にして処理してしまおうかとも思いましたが、運良く()()()の子が二番刈りを好んで食べてくれました。

 A子との仲もいいので、ケージを隣り合わせたり、ケージの外で少しずつ会わせたところ、ついに一緒に住めるようになりました。


 さて、こうなるとイージーホーム60では手狭に感じます。

 お金を貯めてイージーホーム80ハイを買ってしまおうか。



 ……ここまで、そんな妄想をしてみました。

 ここから先は、みなさんがやってみてください。


 そして、このエッセイを読んでくださった方の中で本当に飼い始める人がいれば、是非とも幸せなデグーライフを謳歌してくださいませ。


 もちろん、あなたもデグーさんも、両方ともね♪




まだ最終回じゃないよ(笑)

もちっと続くんじゃよ。


次話は、7月19日の夜に投稿予定です。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[一言] あっ、ダメでした。 北海道の冬はストーブつけたままじゃないと、室温が保てません……。 旅行に行っている間に、金魚鉢が凍っていたことも……。 そもそも、犬一匹で精一杯な僕では飼えなさそうですが…
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