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③どんな環境で暮らす? ペットになるまでの歴史は?

本日もよろしくお願いします。


 本日もこんばんみ!(古)

 海でぐーで~す。


 ようやく連載(こんな魔王は嫌だ)から解放されたと思ったら、自らの軽はずみな行動で再び連載することに。でも嫌いじゃないんだぜェ?


 そんなわけで、今回も早速本題へ。





  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 ・どんな環境で暮らす?


 チリ(南米)の山岳地帯に生息し、岩や砂の多い環境で地中に掘った巣穴で生活している。食事の際は地上に出て駆け回り、イネ科の植物や木の樹皮・根、サボテンの果肉などを食べる。

 主に昼行性だが、季節によって寒暖差を避けるため朝夕や夜行性になることもあり、かなり臨機応変である。


 数匹~10匹程度の群れで生活しているようで、血縁関係や性別でそれ以上の群れだったり単独だったりする場合もあるとの情報も。



 ……というのが、野生下での基本情報ですね。

 野生下では天敵も多いため、常に群れで警戒しないと捕食されてしまいます。

 野生下での寿命が二年程度というのも分かる気がします。


 ちなみにうちのデグーさんの最年長は推定七歳のオスです。

 君、野生下なら一年未満で食べられちゃってたかもよ? 野生下の三倍以上なら、たぶん幸せ者だね。ふふふ……。


 さて、野生下の話はこの辺で。 

 ここからは飼育下の話です。


 よく、デグー飼育セット(デグー含む類似の小動物向け)だと、縦に長くて高い位置に足場がある金属製ケージが紹介されることが多いです。

 これは、横に広くするより場所を取らず、上り下りで運動量も維持できるから、という理由だと思われます。


 ですが、野生下のデグーは別に樹上生活しているわけではないんです。

 だから、縦に長いのはあくまで人間の都合が中心。


 そこで「あれ? 岩場なら岩登りとかするよね?」と思った勘の鋭いあなた?

 ご名答……と言いたいところですが、恐らくそれは岩をよじ登るわけではなく、警戒のため周囲を見渡そうと岩に登るだけ。時間をかけてたら狙われるし。

 現地の画像など見ても、簡単に登れる形・高さの岩が中心だと推測されます。


 なので、デグーに必要なのは上り下りによる運動よりも、床面積の方です。

 ゆえに、デグーさんを飼う場合は最低でも東京ドームくらいの床面積を確保し、デグーさんが運動不足にならないように気遣ってあげましょう。完。



 ……なんてのは冗談です。そんなの無理ですものね。

 でも大丈夫! 人類は偉大な発明を成し遂げてますから!


 それがこちら! はい、ドン!

 テレテテッテテーー! 回し車~‼


 そう、ハムスターでもお馴染みの回し車がありますから。

 これで、床面積が猫の額の広さほどしかなくても安心。


 さて巫山戯(ふざけ)るのはこの辺にして、真面目に話します。

 先述の通り床面積はなるべく広い方がいいので、可能な限り横に広い金属製ケージを用意してあげましょう。


 なお、水槽に金網の蓋でもいいのですが、冬場はよくとも梅雨時期や真夏に熱や湿気が籠るので、注意が必要です。

 水槽の場合は恐らくはエアコン必須になるかと。


 ならば、オーダーメイドで部屋の半分ほどの特注ケージを用意できたらデグーさんも幸せですよね。皆さんそうしましょう……と言いたいところですが、ケージって結構お値段がします。別項目でも書きますが、スタンダードな45×50cmくらいのケージを安売りで入手できたとしても5000円くらいが限界でしょう。

 床面積が広いものだと6500~12000円くらいは見てほしいところ。さらに床面積が広くて上方にも余裕があるものだと、もっとお高くなっちゃいます。


 ここで「あれ? 調べてみたら、プラスチック製とか一部木製とかだと全然安いじゃん? 金属製でも普通に安いのあるけど?」と見抜いた鋭~いあなた?

 それ、金属製の()()が付いた製品ですか?


 ハムスターなど()()()を飼ったことがある人なら分かると思いますが、ネズミなので(かじ)ります。それはもう齧ります。

 はむはむ……なんて可愛いものではなく、ガガ、ガガガガガガガガガ!って感じで猛烈に齧ります。本当に。


 しかも、デグーの齧る能力はハムスターより上です。

 作者が二匹目のデグーを購入した際なんて、店の人がうっかり段ボール箱に入れて寄こしたら、ものの五分で脱走しましたから。

 その際はすぐに気付いて事なきを得ましたが、以降は丈夫なプラケース持参で店に行くようにしています。そのくらい凄まじいのです。


 なので、木製や柔いプラスチック製だとすぐに駄目になります。

 丈夫な専用のプラスチック製ケージもありますが、個体によっては歯を立てて傷をつけるので、プラスチックが段々傷で透明ではなくなります。つまり中身が見えにくくなります。

 水槽とかのガラスだと流石に大丈夫ですが、ガラス同士の接着剤には一応注意が必要です。普通に齧ると思うので。


 そういうわけで金属製をオススメするのですが……実は、私も一度ハマったことのある罠があるんですよ、これが。

 それは、ケージの「下の部分が金網で覆われていないタイプ」です。少し安価だったりするので、つい手を出しちゃうんですよね。


 サイコロで例えるなら、一の数字が上にある時に、反対の六の数字の面がただのプラスチックというパターン。

 あるいは金網だけど、固定されず乗っているだけという場合です。


 これは実物を見ないと分かりにくいでしょうが、底がプラスチックや固定されていない場合だと脱走のいいルートになってしまいます。

 後者なら針金で固定すればいいのですが、前者はデグーに関してはただのお金の無駄になります(実体験)


 なので、六面全てが金網で囲われ、固定されているケージというのがデグーを飼う場合の条件です。

 その条件を満たすと、どうしても上記の値段になってしまうんです。


 そして、デグーの中には残念ながら回し車を使ってくれない子、使うけど下手で怪我をする子というのが一定数存在します。うちの子にも一匹。

 家に迎えた子がそうだった場合に向けて、できるなら床面積の広いタイプにしておいた方が無難だと経験談からアドバイスしておきましょう。


 もし手元にスマホがあるなら、SANKOというメーカーさんのイージーホーム40・60・80ハイという商品をググってみてください。SANKOさん、勝手に紹介して申し訳ありません。いつも愛用させていただいております。

 それらは、デグー飼育においてスタンダードなケージになり得るものです。つまりはそんな感じで飼うわけです。


 単独飼いなら40でも飼えますが、広々と走り回れる環境を用意してあげたいなら60ですね。そして理想は80ハイ。複数飼いなら断然80ハイ。

 ただ、60や80は逆に子育てには向きません。赤ちゃんデグーが隙間から出てしまうので、その場合はもう一つ別で40を用意するといいかと。



 まとめ:イージーホーム60でゆったり。出産予定なら40を追加購入。

     多頭飼いなら80ハイで夢のデグー生活。

     類似品でももちろんいいけど、必ず底面に金網付きの物を。



 ……と、中盤にもかかわらず、ついまとめちゃいましたが。

 段々察しが付いてきたかもしれませんが、結構初期費用がかかります。


 これに足場(岩場の再現ではないけど、ちょっと高いところにも登れると自然に近いかも)となるスタンドや金網を取り付け、ゴハンの容器や水飲みボトルなどなど付けるとなれば、デグー自体の価格も合わせてニ~三万円ほど見積もりが……。


 ま、まあ、この辺の話は別の項目で。



 さて、気を取り直して。

 次は砂浴びについて説明します。


 人間なら毎日水浴び、シャワーやお風呂で体を綺麗に保ちます。

 でも、自然界の動物では水浴び以外に泥浴びや砂浴びなどがあります。


 そして、デグーの場合は砂浴び。

 それで寄生虫や体の汚れを落とすわけです。しかも、そこで出した排泄物の臭いが群れのコミュニケーションの一端も担っているというから、砂浴びって結構重要なんです。


 群れじゃない単独、しかも飼育下。そんな環境でも、砂浴びがあるのとないのでは段違い。病気になりやすさだって変わってきます。

 方法は簡単で、体が入るサイズのビンに専用の砂を入れるだけ。はい終わり。


 これで中身を定期的に交換してやれば、健康なデグーの毎日が続くんです。

 ほんと、あるのとないのでは大違いです。いやマジで。


 野生下でも、岩場の間やいい感じのスポットで砂浴びをしているのでしょうね。その姿は想像しただけで白飯五杯はいけるくらいに尊いです。

 でも、その後で毛繕いしている姿や、仲間同士でグルーミングしている姿はさらに尊く、それが終わって集団で眠る姿は……おっと脱線しました。


 ともかく、ケージに砂浴びの環境を。そして食べ物と水を。

 それに巣材と、回し車に登る足場、ネズミなので齧れる木のオモチャなどを入れたら、デグーさんの生活環境は整ったも同然ですね。


 ちなみに、どうしても狭い環境しか準備できない……けどどうしても飼いたいという方は、部屋の中を仕切るなどして脱走対策をした上で、部屋の中で遊ばせるという手もあります。

 この方法なら、回し車を使ってくれない子でも充分な運動をさせられます。しかも飼い主とのコミュニケーションの機会にもなり、うまくいけば回し車よりストレス発散にもなりますから。


 ただし、慣れるまで根気よくやらないと、未知の環境にビビッて飼い主に噛みついてきたりしますので、焦らずに。




 ・どうやってペットになった?


 さて、ここからはデグーさんの歴史を。

 とはいっても、まえがきで書いた通りなのですが。


 1782年、チリ出身の神父/博物学者のフアン・イグナシオ・モリーナが著書で紹介したのが始まり。その後、1964年にチリで捕獲された20匹のデグーがアメリカのマサチューセッツ工科大学に送られ、そこから欧州でも知られるように。

 最初の20匹が交配し、その子孫が広まったとされるが、その後もチリで捕獲された他の個体がいたようなので、全てが最初の20匹の子孫というわけではないものと思われる。


 ペットとしての歴史は、欧米だと1980年代頃から広く知られるように。

 日本では1990年代後半から知られるようになったと言われている。

  ※参考・誠文堂新光社「デグー完全飼育」より抜粋


 作者も、2000年代初頭にはデグーの存在と飼い方の情報が出回っていたのは確認しているが、その頃は探しても専門書が海外のものしかなかったことから、日本語版の専門書はそれ以後と思われる。

 実際、作者の持つ飼育書・専門書は確認したところ、全て2010年以降のものだった。私が初めてデグーを知った本でも、写真と曖昧な説明文だけだったし。



 これに補足すると、デグーさんもかつては実験動物だった時期があったようです。今もかな?

 デグーは粗食向きのため、食べ物次第でわりと糖尿病になりやすいことが知られています。そのため、そういった病気の研究では重宝されるそうです。

 それから、頭がよく芸も覚えるので、知能や脳の研究でも活躍するのだとか。



 それが、欧米でペットとして人気になり、やがて日本でも。

 なにせ天使ですからね。わかります。


 それはさておき、私は知らないのですがドラマ(おそらく中居正広さん主演のATARU)がきっかけで流行ったという話も聞きます。十年ほど前でしょうか?

 あと意外に動物園でも展示されていて、私の知る限りでも数か所存在します。


 最近では専門書の数も増え、ネットで販売されるケースも多いと聞きます。近場に販売店やブリーダー、里親募集が無くとも入手できるわけですね。

 ですが、できるなら皆さんには実際に見て触れてから購入を決めてほしいものです。何故なら、ネットでは実際の動きや性格、相性やフィーリングは分からない場合が多いから。中には人馴れしない子、噛みつく子(中~上級者向け)もいます。

(余談ですが、出生・出身国はあまり関係ありません。うちの最高だった子も、ヨーロッパのチェコ出身でしたしw)



 やはり、店で「この子だ! この子しかいない!」という運命の出会いを皆さんにも経験してほしいと思います。そんな出会いは滅多にありませんが。

 でも、そうして家族に迎え入れた子は、必ず飼い主さんに幸せを齎してくれるはずですから。


 なお、繰り返しお伝えしますが、デグーの寿命は最長で10年近くになります。それを考慮し、責任を持って購入に踏み切るようお願いいたします。



 それでは、また次話でお会いしましょう。




次話は7月15日の夜か、7月16日の夜のどちらかに投稿予定です。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[良い点] まずい……どんどんデグーが天使にしか思えなくなってきた。恐ろしい連載だ……R18が必要になる日も近い(笑)
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