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Act.1

おまたせしました。

第二章の掲載を開始致します。なお、前もってお伝えしておきますが、二章は短いです。

何でこうなった……と思ってしまうのがあって、どうしようかと考えたのですが、書き直しというのもあれなので、公開することとします。


一章が結構シリアス風味になっていたので、二章は軽めと言うか不幸なのは間違いないですが軽い感じとなってます。


投稿は1日1話で、原則19時となります。

宜しくお願い致します。


 時が経つのは早いもので、わたしがこの世界にアリスとして転生してから半年が経過する。その間にも、このログハウスや庭に色んな変化が起きた。


 まず、部屋を増設したことだ。わたしとエリシアちゃんの二つの部屋を作り、ベッドや家具も用意したのだ。その光景を見ていたエリシアちゃんはかなり驚いていた。

 勿論、創造魔法については伝えてるけど言い触らさないようにと言ってある。


 林檎については苗木となってる。これ、早いような気もするけどどうなんだろうか。まあ、何にせよ育ったっていうのは良いよね。

 他にも庭をちゃんと整地し、ちょっと広めな畑を用意した。キャベツやレタス、じゃがいも等などの種が増えて順調である。水やりとかのお世話はわたしとエリシアちゃんで交代でやってたりする。


 季節も移り変わり……この世界は冬を迎えようとしていた。

 この世界の年月日とかについてだけど、地球とあまり変わらない。ただし、閏年や31日は存在せず、1月から12月まで全部30日となっていて、1年の日数は360日となってる。


 曜日も地球とは違いこの世界では火の日、水の日、風の日、土の日、闇の日、光の日となっている。地球感覚ではちょっと狂うけど、闇が土曜日光が日曜日と思えば良い。


「うーむ……」


 さて、話が変わるんだけど、わたしは今困っている。

 困っている原因はわたしのベッドの中ですやすやと未だに気持ちよさそうに寝ている、女の子……エリシアちゃんである。


 主人を失って行く宛も無い奴隷だった少女なのだが、最近時々こうやってベッドの中に居たりするんだよね。

 首輪も付けたままだし、何度か外さないかと言ってみたけど結局は外さずにこのままの状態で結構な日数が経過してる。

 街とかに行くと、やっぱりと言うか何というか、わたしの奴隷のように見られてる。本人は別に気にしてないようだけど、わたしはちょっと気にする。

 エリシアちゃんはもう奴隷じゃないよ! って言っても多分周りは信じないと思う。うーむ……。


 しかもわたしは今はこんな(なり)だけど、元々は地球で暮らしてた成人男性な訳だ。

 一人称とかを変えてはいるけど、男としての精神は一応まだ残っているつもり……なので、こう、凄い落ち着かないというか……。


 とはいえ、一度事例を作ってしまったからなあ。

 事例と言うのは一緒に寝たという物だ。男のままだったら事案になりかねないけど、わたしから誘った訳じゃなくてね……?


 彼女の主人だったクルトさんのお墓の前に何とも言えない顔で立っていて、わたしもどう声をかけようか迷っていたのだ。


 それでやっぱり悲しそうな顔を見せてたので、つい頭を撫でてしまった。何かわたし撫ですぎじゃないかと思ってきてる。

 その時に、眠れないのかとか、そんな言葉を投げてたらいきなりエリシアちゃんに一緒に寝て欲しいといわれたのだ。


 いや、流石に添い寝とか……と思ったけど、エリシアちゃんの顔を見てついついそれを承諾してしまって、その日は一緒に寝たんだよ。

 そんな事例を一回作ったからか、わたしの前で無防備に寝ているエリシアちゃん……落ち着こう。


 エリシアちゃんを起こさないように、そっと退けてベッドを抜け、布団を掛け直してから一階へ向かうのだった。




□□□□□□□□□□




「アリスさん、ここに置いておきますね」

「うん、ありがとー」


 朝ごはんで使った食器を置きながらエリシアちゃんが言う。わたしもそれに返したところで、食器洗いをする。

 食器洗いと言っても、光魔法の<浄化(ピュリフィケーション)>を食器に使ってるだけ何だけどね。

 これを見たエリシアちゃんには、この魔法で食器洗いしてる人なんてアリスさんくらいしか見たことないと言われてしまった。


 庭の作物に使ってるのは創造魔法で作った水である。水関係をどうしようか、日々考えてはいるんだけど……。

 近くに水源があるならそれを利用しない手は無いが、残念なことに周囲を探しても水源らしき場所は無い。池でも湖でも泉でもあれば良いんだけどね。


 一番手っ取り早いのは水魔法だけど、残念ながらわたしは光と闇しか使えないし、エリシアちゃんは光と火しか使えない。

 エリシアちゃんの火の魔法のおかげで、創造魔法カセットコンロとかを使わずに、火を使えるようになったので一歩前進はしてる。


 相変わらず、ご飯の炊き方は飯盒炊爨式だけど。

 そうそう、エリシアちゃんはこの炊き方は見たことないと言うか、使ってる道具が見たことないらしい。

 この世界のご飯の炊き方……この辺ではお米は一般的に使われていないので知らなかったけど、本来は鍋に入れて炊くらしい。


 飯盒炊爨とか、地球の道具使ってるしそれもそうかと思った。なので、近いうちに鍋を買ってそっちに切り替えようかなって思った。


 因みに火属性の魔法が使えない人たちのご飯の炊き方としては、火の魔石って言うのを使ってやるみたい。

 火山の近くとか、熱い地域で良く手に入る魔石で、魔力を流すと一定時間火を出してくれる。流す魔力の量によっては強くしたり弱くしたりもできるそうだ。

 え、何その便利アイテム、とは思った。こんな世界だし、あるっちゃあるかーと深く考えないようにした。


 では、魔力持ってない人はどうするのかって? それはあり得ない。……人は生まれつき誰でも魔力を少なからず持っているっていうのがこの世界の常識だ。


 まだまだ分からない事が多い。ちょっと恥ずかしいけど、今はエリシアちゃんに教えてもらってる。

 エリシアちゃんにはわたしが転生者ってことは言ってないけど……まあ、言わなくても大丈夫かな。前世があるからなんだって話だし。


 とにかく、エリシアちゃんの一件が終わってから、今日までは結構まったり過ごせてる。一人ではなく二人になったのでさみしいと感じることも無くなったし。


 このままのんびり過ごせたらいいな、と思う。

 でもこれ、フラグ建てちゃった? ええい、フラグはへし折る物だ!


「あの、アリスさん」

「どうかした?」

「いえ、それが外に倒れてる人が居て……」


 フラグ回収早すぎ!?



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