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海辺の記憶

作者: アマト

「ニューシネマパラダイス」をbgmに読書するのも合うと思います。興味のある方はYouTubeで検索をかけてみてください。

 さあ皆さん。寄ってらっしゃい見てらっしゃい。今から始まるのは昔々の戦争時代、銃やら爆弾やらでどんぱちやっていた頃の話さ。

 このお話の主人公はこの日本から兵士として出ていった夫を見送った1人の妻の話だよ。




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 鈴木家




「孝一さん、死んで帰ってきたりしたら駄目ですからね。絶対に生きて帰ってくださいよ。」


「洋子。そんな事をここで言うものじゃない。どこで誰が聞いているか、わからないのだから。心配してくれるのは嬉しいが、気を付けなさい。お国のために死んで行け。なのだからね。では、行ってくる。お前も元気でな。」


「...。」


 鈴木家では今まさに生涯の別れであろう会話がなされていた。

 この戦争の時代で生きて日本に戻ることは奇跡である。皆、そう考えて、死ぬ覚悟をもって戦争に向かっていた。鈴木孝一、彼もまたその一人であり、しかし本気で妻の身を案じていた。


「行ってしまいました。今となってはもう一度会えるよう祈るしかありませんが。できれば無事に帰って来てほしいものです。」





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 あれはお付き合いを始めてすぐのことでしたね。

 そう、結婚をする前に海辺でデートをしたときのことです。


 よく晴れて、潮の香りがするとても綺麗な海を孝一さんと2人で眺めていました。


 彼は黙々な人でお話をするのはあまり得意ではないようでしたが、気遣いは人一倍素晴らしかった。私に対しても、家に入る時にも扉を開けてくださったり。つらそうにしていれば、休ませてくれたりと。


 正直、今の男性のイメージからはかけ離れていましたね。そんな彼だからこそ惹かれてしまったのですけど。


 波が引いて満ちる。その光景を飽きるまで見続けた私達は当時は珍しかったお弁当を開き食べることにしました。それからしばらくして、夕日が傾きはじめた頃、私達はどちらともなく帰り支度を始めましたね。そうやって家に帰ると必ずと言って良いほどに孝一さんの事を思い出していました。あぁ、懐かしいですね。そして寂しい。


 彼は今、どこで何をしているのでしょう。無事なのでしょうか。怪我はしていませんか?お腹も空かせてないといいですが。

 

 やはり、無事に帰って来てほしいものですね。



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「と、こんな風に思っていたのですよ。」


「そうなの?母ちゃん。」


「ええ、今となっては良い思い出です。」


「はっはっはっ。そんなこともあったね。本当にあの頃は大変だった。」


「でも、今では笑って話せるほどには落ち着いて、こうして、海辺の家で大好きな家族に見守られながらベットにいる。」


「本当にありがとうございました。孝一さん。それに良太郎、こうして、立派に育ってくれてありがとう。あなたのこんなに立派な姿が見られて嬉しいですよ。昔あんなにやんちゃだったのが嘘のようです。これからはお父さんを頼みますよ。2人とも本当にありがとうございました。お元気で。」


 そう言って息を引き取りましたとさ。



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 戦争とは、悲しいものです彼女たちも、最後にはこうして、幸せそうに暮らせていますが当時の戦争の傷跡は人の心のなかに根強く残っているのです。


 先人はよく、こんな言葉を使います。「戦争なんて良いもんじゃない。起きない方がいい。本当なら儂らが表だって止めるべきだったのじゃ。」とね。この言葉は冗談でも嘘でもない。戦争とは、人の尊厳を奪うものであり、欠け代えのない何かを根こそぎ奪っていくものなのです。


 かつて、広島や長崎を襲ったアメリカの原子爆弾これはただ周囲を破壊するだけではなく。その後遺症として様々なものを残していきました。被爆者と呼ばれる方々はいわれのないことを言われ拒絶されたそうです。まわりも少しずつ暗くなっていったらしく、周囲も巻き込んで悪影響を及ぼすものだったのです。


 結局、何を伝えたいのかと言えば、中国文書における所謂、雑説として。

 今の世の中におけるいじめという行為は被害者だけではなく、まわりにいる人にも少なからず悪い影響を与える者なのです。

 いじめた後のことを、自分の起こした行動の結果をよく考えてくださいね。あなたの行動、言葉は重い責任を伴ったものであることをお忘れなきよう。

 言葉は人を傷つけるナイフにも、そして、人を救うための傷薬にもなります。人を傷つけて、大切なものを失ってしまう前に、あなたがなりたいものをよく考えて、思い出してください。

 あなたが人を救ってくれる存在になってくれることを心から願います。






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