表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

嘘つきな、優しい、狂った男

作者: アーティ

ネタバレ・世界は優しくなりました

「やあ、やあ。何かお困りごとですか? おねーさん」

人好きのする笑みを浮かべて、若い男は問いかける。体躯は細身なのにガッチリとして、しなやかだ。

先程からせわしなく、小さく視線を巡らせていた、男とはふた周りほど歳の離れた女性が驚いたように顔を上げた。

どうやらおめかしをしていたアクセサリーをどこかへ落としてしまったらしい。

男はどの道をどんな風に歩いてきたか。いつ頃無くしたことに気がついたのか。情報を尋ねて、近くを一緒に探す。

小一時間。女性の方が先に心折れそうななか、近くでドリンクを買って小休止を入れたりと、焦る女性を大切に気遣いながら探していると、お目当のアクセサリーを見つけた。

「ありがとうございます!父にもらった思い出の品だったんです。おかげで母にも怒られないで済みそうです!」

「それは良かった。今度からは無くさないようにね。物はいずれなくなるけれど、できるだけ大切にしてあげて」

優しく諭す男に、ほう、と頬を赤らめさせて言い募る。稀に見る好青年に、興奮したのだろう。

「あの!できればお礼を。あと、連絡先も!」

「いや、別にいいですよ。見て見ぬ振りも心苦しかったし、時間もありましたので。俺の精神的な平和のためですから」

そこまで言い切って、ふと考える。

「そうですね。では、俺が懇意にしているメシ屋がありますので、お礼ならそこの売り上げに貢献してあげてくれませんか?」

ポケットから銀色のカードケースを取り出すと、1枚のカードを渡す。どうやら食堂の名前のようだ。

ーー喫茶&軽食「逃避場 采愛」

そこには看板娘が1人いた。




ある女性が言う。「彼は本当に優しい人なの」

ある男性は言う。「俺は本当に底辺の人間だ」




いつものことだ。毎日のように、実際に毎日、困っていそうな人間を見ては時間のある限りは声をかける。

本当に優れた人間なら、何とか時間を捻出して力になるか、あるいは解決策を授けるだろう。

本当に優しい人間なら、心から相手の不安に寄り添って、自分の都合のように考え、共感するだろう。

俺は、場当たり的に、自己満足のために対処しているだけの人間だ。誰も救えたことがない。アクセサリー1つくらいで何が変わるものか。

そう思いながら、少しでも良い方に変わってほしいと、無責任に欲する。心を覆う不安に足掻くし、逃げるように今日もまた、安らぐこの店にやってきた。

「いらっしゃい!」

「ああ。今日も綺麗な笑顔だな」

社交辞令で、嘘偽りのない言葉を述べる。変な言葉だが、感想を淡々と口にしているようなものなので、言葉に心は籠らない。

もう!と、それでも嬉しそうに看板娘の女性は頬を膨らました。初めは怒っているのかと思ったが、その割には積極的に話しかけてくれるので、怒ってはいないようだった。むしろ楽しそうだ。

「いつもの、頼む」

「好きよね、オムレツ。任せて!うんとおいしく作ってあげる!」

「ありがとう。楽しみにしている」

美味しいものは好きだ。なくても死にはしないけれど。

楽しいことも好きだ。笑顔が溢れて、不安が無くなる感じがする。

辛いことは嫌いだ。周りには余裕がある人もいるはずなのに、どうして助けてくれる人はほとんどいないのだろう。

悲しいことは大嫌いだ。悲しい時、大抵が取り返しのつかないことだ。あるいは、悲しさを乗り越えるだけの心の強さがないから。悲しみから目をそらすか、逃げるしかない。


ポツリポツリと、取り留めもないことを思いながら、木目調の店内をぼうと眺める。

人は多い。何人かは顔を知ってる人もいる。忘れっぽい俺が顔を覚えている気がするのだから、よほど何回も見ているのだろう。

もしかしたら、全く知らない人なのかもしれないけれど。忘れっぽく、記憶が混沌としている俺は、名前を間違えることも、顔を間違えることもザラにある。何度か自分の名前にも自信が持てなくなったこともある。自分の名前なら間違えてたら、別に構わないとも思う。

親にもらったものだけれど、所詮は俺のものだ。故に大した価値はない。

据え付けピッチャーから水を注いで、何度か喉を潤す。4回目くらいのときに、彼女が厨房から戻ってきた。

「お待たせっ!いつもの、だよ!」

ふわふわとした野菜の入った具沢山のオムレツに、ブランドコーヒー。あとはパンが2つ、豆の入ったスープが大盛りで。うん、いつものだ。

「ありがとう」

心の篭め方はわからないけど。せめて形だけでも。

出来る限り自然な笑顔で、目線を合わせて。感謝の言葉を送る。そのくらいが精一杯。これ以上のやり方はわからない。どうすれば本物になれるのだろう。

彼女は少し困ったように笑う。

「お代わりが欲しかったら言ってね?特別だけど」

「うん。ありがとう」

…せめて、もう少し実用に足る語彙力があれば。もう少し感謝の言葉にも幅が出来るのだろう。冗談を交えたウィットに富んだやりとりとか。「はは。俺の特別になりたい、って言う宣言かな。でも、今はこれだけでもお腹がいっぱいになりそうだ!」とか?うん。無理。今でも割といっぱいいっぱい。昔から成長してない。10年分くらい?多分それくらいは、俺の心は成長が遅れている。


絶品、とはいかないけれど、心が落ち着く味がする料理に舌鼓を打つと、ジャーキーと炒り豆を買い、店を後にした。

仕事は適当に。以前に働いていた医療関係では、人間関係に馴染めずに辞めてしまった。言うほど戦力にはなっていなかっただろう。

引き留める声はあったが、命が毎日消えていく現場にも、些細なミスが患者の怪我や不安に繋がる現場に、俺みたいな協調性に欠ける人間もどきがいていいはずがない。と心の中で言いながら逃げた。

それからは短期間のバイトを転々としたり、投資でお金を増やしたり。今日みたいに、芸をしたり。

俺は半紙を片手に、立てた角材を目の前に、心を無に近づけた。

少し強い風が吹けば倒れそうな角材に向かい、風がなくても揺めきそうな半紙を、すっと通り抜けさせる。

潜る、とか。通り抜ける、とか。きっとそんな感じだ。気がついたら右側にあった腕は左側にあり、半紙もそれに続いている。いや、ぼゔっと燃えてしまったか。摩擦で燃えた。

「「おおーっ!!」」

周りから声が上がり、脇に置かれたバケツにおひねりが投げ入れられる。わんぱく坊主が、こぼれ落ちたお金を拾おうとしているけど、拾いすぎてはいないので許してやる。

お金とは、成果の対価で、生産の結果だ。物も、感動も、何も生み出せていない人が手に取るべきものではない。手に取ったとしたら、それはお小遣いか、悪いお金だ。

見窄らしい格好をした彼は、前に妹と一緒に俺の芸を楽しんでいた。お母さんにも見せてあげたい。お父さんも見られればよかったのに。と。

キラキラした目をしていた彼の目が、少し澱んでいることには気がついた。けれど、俺にはどうすればいいのかわからない。人の家庭に首を突っ込めるほど、懐にも精神的にも余裕があるわけではない。


何故1人なのか。

何故悔しそう目をしながらもお金を集めるのか。


俺はそれを知るのが怖い。

ああ。もしも俺にお金があれば。

ああ。もしも俺に優しさがあれば。

経済的な問題も、精神的な問題も、解決できるだろうに。

今は、小さな悪を、優しい根っこからの行動だと。

そう信じて見て見ぬ振りをするだけだった。



日課の素振りと走り込みを終えると、日もとっぷりと暮れた。

そして俺は今日も帰る。

今日が終わり、明日が来る。

今日はどう過ごしたのだったか。

うたかたのように、現実感がない。

優しい人間になれば。全力で生きられるようになれば。生きている実感を持てるのだろうか。

分からないまま今日を生き。明日を迎えて、今日は昨日に。

昨日までの毎日は薄ぼんやりと、霞掛かって消えていく。

さあ、もう明日になる、今日を迎える。

毎日をただ積み重ねる。




そして今日。

何度目の今日かは忘れた。

ある日のこと。

世界が、変わった。

看板娘の彼女が、襲われた。


あはは、と彼女は笑った。

泣いた目が赤く、頬は引きつっていた。

それでも、気丈に笑っていた。

「……」

俺は。

どんな顔をしていたのだろう。

彼女は。

俺に何と声をかけてくれたのだろう。


霞掛かって、胸の奥に消えていく。

確かに、抱いている記憶は、遠く遠くに感じられる。

目の前で醜く命乞いをする男たちが。

何処か遠くへ旅立っていく。

ははっ!

もう、帰ってくるな。消えろ。消えろ!


俺は、以前から思っていたことがある。

世界はとかく生きにくい。

それはきっと、適応できない俺が悪いのだろう。だから諦めていた。ああ、諦めていた。

どんなに息が詰まっても。自分を偽って生きていても。理想の世界に届かないことを諦められなくても。

それでも、現実の世界を生きていた。

けれど、もしも。

悪い奴らを全部消したら。

今の多すぎるこの世界の人口なら、十分に生活圏を保ったまま。

優しい人ばかりが。悪意を優しさで隠せる人だけが。表面上だけでも優しい理想世界が。

ーー出来上がるんじゃないかなぁ?



俺は剣を振るう。銃弾を切る。射線から外れて、姿を眩ませる。神出鬼没。

鉄の刃物が鉄の塊を切る。警告に為に、建物の支柱も切る。壊そうと思えば、壊せる。殺そうと思えば、殺せる。

悪人を殺し、気まぐれに困窮する人々にお金をばらまいたりもした。

一方で世界を脅し、警告を超える人間は善悪問わずに殺した。殺して、殺した。世界に対して、理想を押し付けた。

何度も切り、何度も崇められ、何度も畏怖されて。

ただ俺に向ける感情には問わずに、俺を崇めようと、俺を畏怖しようと、気にくわない悪は切ったし、気に入った善は助けた。そして世界を駆け巡った。



ぼんやりと思う。俺は今、生きているのだろうか。

それと、あの時また神様は今どこにいるのだろうか。



俺には1つ、自慢とも言えない思い出がある。

ーー神様に会った。


笑うと素敵な神様だった。

お話の内容はもう覚えていないけれど、俺が割と一方的に喋っていたはずだ。

そんな俺を優しい顔で頭を撫でてきて、少し困った顔で笑っていた。

「幸せになって」

神様は俺に、そう願ってくれた。

まぁ、叶わなかったわけだけど。

「けど、もし。どうしようもならなかった時はーー」

私を殺してくれてもいいよ。

あの声は、空耳だったのだろうか。

あの姿は、妄想だったのだろうか。

ぼんやりと覚えている。夢の記憶のようだとも言える。それでも俺にとって、確かに記憶の中にある。


ーー俺は、神様を切れるくらいにはなれただろうか。

約束とも言えない、あの交わした言葉。

霞掛かった俺の人生で、それでも輝く俺の記憶だ。


あの言葉を胸に、想念を抱き、祈りを込めて、剣の腕を磨いた。祈りや願い。それは力だ、と今なら思う。

「強くなりたい」という形にならない漠然とした想いでも、それを込めて鍛え続けたら、やがてその姿に近づく。今よりも、強い自分になれる。

俺は、神を切れるだけになりたい、と願い鍛えた。

初めに思ったのが、体力のなさ。5時間も剣を振るえなかった。大人に聞くと、走ればいいと言ったので、走った。

できるだけ走れるように、少しでも長く早く走れる様に願い、気をつけながら。

息の仕方で疲れ方が違った。口より鼻で息を吸い、必要よりも浅く吸いながらように走った。

足の指で力を込める位置が違うと、疲れ方が違った。小指に力を込めて、親指が丸くなるように走った。

腕の動きや肩の動きで疲れ方が違った。腰を必要以上に振るわず、体幹は真っ直ぐに走った。

気がついたことは片端から確かめて、何度も何度も同じようなことを繰り返しながら。願いだけはただ1つだけを想った。

剣の振り方にしても同様で、いつのまにか剣がなくても物が切れような感覚があった。実際にできたことはないけれど。



人の祈りや願いには力があると思う。

だから、俺は、ここまで来れた。

だから、俺は。

最低の人間だ。



思う。

人が死んだ。たくさん死んだ。俺が殺した。


俺は、ボロボロの体になりながら。

誰もいない街の真ん中で、空を見上げた。


みんな逃げた。当たり前だ。世界が恐れるバケモノが、町に近づいてきたのだ。

水と食べ物には毒を入れ、俺が生きるのを少しでも困難にしようとしている。それが淡い希望だと知りつつ。

もはや俺の剣は、大体のものが切れる。

天に向かって振るえば、天を裂く。

地に向かって振るえば、地を割る。

虚空に向かって心を込めて振るえば、空間に穴が開く。

富に心を腐らせた大富豪も。悪道に堕落した詐欺師も。権力に溺れた政治家も。暴力装置たる軍隊も。殺せた。

だから、思う。


俺は何1つ救えなかった。

俺が剣を振るった後に、たくさんの感謝があった。きっと、俺の剣でなくても解決できた問題だった。俺は切るだけしかできなかった。

誰かの敵を切り、そしてその誰かが自分の力で立ち上がることができただけ。

俺は切ることはできても、誰かが立ち上がる助けにはならなかった。勝手に助かってくれただけだった。

助かった命と、殺した命。どちらが多いのかわからない。数えてもいない。

救うことができた命と、救えなかった命。何1つ救えず。救えなかった命だけが積み上がった。


想う。

だれか、俺を。


「ころしてくれ」


びゅうびゅうと風が吹く中で。

答える声が1つだけあった。


「ごめんね」


体を起こすことはできない。

心が拒絶してしまっている。

体が心に抗えない。

それだけではなく。

抗う気持ちも湧いてこない。

この声は。


「かみさま」


いつか、夢見た。

確かな記憶の。妄想の。現実の。

自分でも境界がはっきりとしない出来事。


俺は。

久々に。

微笑んだ。



「ころしにきてくれたのか」

「ちがうよ。謝りに来たの」

「あやまる?」

何をだろう。とんと覚えがない。

神様は困ったように笑う。いつか、どこかで見た顔。

「わたしは、君を救えなかった。君の心が泣いているのを知っていたのに」

「ないて」

すとん、と俺のそばに神様は腰を下ろすと。そのまま俺を膝枕した。

やめてくれ、俺にそんな価値なんてない。最低の人間。幸せになる資格も、価値も、ないんだ。

「やめ」

「やめないよ」

俺の虚しい抵抗は、重ねた言葉に虚空に消えた。頭の後ろに温もりが感じて、硬い地面が柔らかな太ももに変わる。

何故だか無性に泣きたくなった。

「ようやく」

頬を熱い雫が濡らす。泣いてるの、神様?

「ようやく、弱いところ、見せてくれたね」

「よわい」

反駁した言葉はかすれて消える。自分でも不思議なくらいに、弱々しい。

「もう、何もかも遅いけれど。君はもう幸せになってはくれないだろうけど。けれど、君が」

嗚咽に混じり、雫が何度も頬を、顔を濡らす。

神様。どうしてそんなに泣いているの。

俺なんかのために。神様みたいな素敵な人が。

あなたみたいな、優しい人が。

俺を思って、泣いてくれるの…?

「最後くらいは、君が、1人じゃないよって。せめて、せめて。伝えられたら、いいのにって」

俺はずっと1人だ。

美味しいものは好きだ。けれど、1人でも美味しいものは用意できる。せいぜいお客になるくらい。

楽しいことは好きだ。みんなの楽しい姿を見るだけなら、自分がその輪に入る必要はない。少し、羨ましいけれど、みんなの笑顔を曇らせるよりも万倍もいい。

辛いことは嫌いだ。誰だってそうだ。みんなもそうだろう。だから、少しでも助けになれたらって思う。少しでも辛いことを減らせたらって。

悲しいことは大嫌いだ。人と関わるから悲しくなるんだ。結局いつかは失うんだ。人も、物も。別れはあるんだ。


そうだ。俺は結局。ただの弱い。心が弱い。最低の人間なんだ。

誰からも嫌われたくなくて。最低の部分を覆い隠して。自分の心の全てを覆ってしまった。

曝け出した心は、弱い。

弱すぎるくらい。

「うっ、っ」

熱い雫が零れ落ちる。頬を濡らす。耳に垂れる。

泣かないでよ、神様。

俺だって。俺だって。

「しあわせに、なりたか、った」

何で俺ばかりと思った。八つ当たりだ。みんなにはみんなの苦労があって。俺は弱いからそれを知ろうともしなくて。俺は弱いから閉じこもってばかりで。幸せさえも弾き出して。

結局、人の助けをしたのも、精神とは関係のないことばかり。小さな優しさが、いつか誰かの優しさに育って、もしかしたら俺を救ってくれるんじゃないかって。救いの手を全て弾いているくせに、そんな都合のいいことばかり考えた。

本当に優しかったら。あの時、おひねりを拾った少年の悩みを聞いて、少しくらいなら手助けをしたかった。ドリンクを買って、何であんなことをしたのかって聞いて、淀んだ目がもう1度きらきらするように頑張って!

些細なことだ。そのはずだ。

せいぜいが、あの日のおひねりの全額くらいのことしかできないんだから。

けれど。助けることができなかったらと思うと。中途半端に手を出して、嫌われてしまったらと思うと。

動けなかった。

俺はこんなにも最低なのに。

世界に理不尽を押し付けた、最低の人間なのに。

そんなこともできなかった。

こんなことをしてしまうほど、狂ってしまった。

俺の願いを聞いて、神様は泣いた、と思う。

俺の顔を胸に抱いて、顔が見えなくなったけれど。

「ごめんね、わたしが助けてあげられなくて」

構わない。

とてもとても辛いけど。辛かったけど。

今は、悪くない気分なんだ。

ほんと、最低だ。そんな資格なんてないのに。幸せを感じる資格なんて。

最後の最後だけ救われるなんて。

なんて。

豪勢な。

「おれ、こそ、ごめ、ん」

神様。

救われなくて、ごめん。

伸ばした手をつかむ勇気がなくて、ごめん。

こんな終わりで、許してくれ。

今まで、気づかないふりをしてごめん。

俺には過ぎた最後をくれて。

こんな俺の最後に付き合ってくれて。



「ありがとう」



ああ。

心からって。こういう風にするんだっけ…?



「ーーーーーーっ」


最後に、君の顔を見れてよかった。

看板娘ーーナツミ。

社会基盤はめちゃめちゃになりましたが。

平等には程遠いですが。

それでも、悪いことをしたら容赦無く断罪される姿を鮮烈に刻み付けられて。

優しくあらねば、と世界は脅されたので、世界は優しくなりました。


めでたくなくても、夢みさせて。救いが欲しい。救いがあふれる世界が欲しい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ