研究所(チェイサー)
研究所を攻略します。
闘いの趨勢は?
承章4 学術都市ディービアの陰謀⑧
戦力増強を求めてババロンを復活させる積もりになった転生者である八神直哉です。
グリーブランド、別名極極の島と言われている魔物が巨大になっている島へ研究所のグレアを探し行くには飛空挺クレイモアが完全復活してからと言う事で時間が掛かった。
最も最大船速では負荷が大きすぎるから半分位の速度で大体5時間程掛ける事にした。
その間僕はクレイモアの内部のジムで身体を鍛えている。
体力がつけば魔素量も増えるし、持久力も上がるからね。
本当はセラにも付いてきて欲しかったけど甘いこと言っていると攻略出来ないからね。
行きながらグリーブランドの状況の説明を受けた。
人類未踏の地らしく、理由は不明ながら巨大な魔物が闊歩しているらしい。
中央施設のソリオに依ると魔物が巨大化する理由としてありそうなことは魔素が充満している為と言う事だった。
後は、研究所のありそうなところでの現象だから研究所が関わっている可能性もあるという。
まあ、魔物相手なら大きくても小さくても何とかなるだろう。
僕が対処出来なくてもクレイモアの攻撃力があれば大抵の敵は居ないと思う。
それこそ、過去の遺物の空中戦艦でもなければ相手にならないと思う。
グリーブランドまで後僅かというところまで来て、研究所のグレアの様子が分かってきた。
やはり、浮遊はしていないようだった。
その代わり、グリーブランドのほぼ中央に着陸しているらしい。らしいというのは魔素濃度が濃すぎて観測が出来ない為らしい。魔素が光を歪めて観測の妨げになっていると言うのだ。
それよりその辺りに魔物が密集していると言うのが気になる。
グリーブランドは緯度が高いせいで低温地帯となっていて、ほぼ年間を通して雪に覆われて居るというのに魔物が豊富ってどういうことだ?
魔物の食料となるような生物がいるのだろうか?
あと1㎞と言う距離で一時滞空する。
クレイモアの見せている映像から唖然とする光景が映し出されていた。
ほぼ5㎞の直径を持つ研究所の周り全てに魔物が密集しているのだ。その幅はおおよ100メートルもあろうか?
いったい何匹の、いや何万匹の魔物がいるのだろうか。
その殆どが眠っているように動かない。群れを離れた魔物同士が戦っていたりしているがそれ程多くない。
あれば戦っていると言うより戯れてじゃれ合っていると言う方があっているかも知れない。
鑑定で調べてみると、そこにいるのは
ジャイアントビートル
グリードウルフ
ギガントラビット
ギレント雷熊
レッドマンティス
ジャンキースネーク
プチデーモン
など、寒いところが苦手な筈の昆虫系の魔物までいた。
中央施設のソリオに意見を求めると魔素を取り込む事で暖を取っている可能性もあるという。
確かに見た目そうなんだよなあ~(笑)
あの中に斬り込んで行くのは可哀相な気もするが、中に入れば襲って来ないだろうとも思える。
恐らく中にいるのは魔素から生まれてくるイビル系のデーモンやノイームやエドゴブリンなどだろう。
皆、集団戦が得意・・・。
頑張るしかないな。
躊躇していても仕方ないので、最初はクレイモアに熱波砲で一度入り口あたりまで掃討して貰ってから行くとしよう。
ズギャギャギャーン
と熱波が魔物達を襲う。一直線に入り口まで魔物が倒れた。弱めに撃って貰っているけど、あれどう見ても黒こげだよね。
地上に転送して貰って、倒れている魔物を避けて入り口まで縮地で飛び、エアロック式のドアを開けて中に入る。
魔素の濃さは感じるが、霧の中のような感じは無い。
魔物の姿も無い。
レーダーを放ち、隠れている魔物を探す。
予想した魔物など一匹も居ない。
あれ?
クレイモアで構造は頭に入れてきたのでさっさと転移陣まで移動する。
方石を操り、直接コントロール室まで行ける筈の転移陣で転移した。
ここは何処だ?
予定していたコントロール室ではなかった。
研究室の一つに飛んだようだった。壁に様々な計器が埋め込まれていて色々な色が点滅していた。
中央に太くて透明なチューブが天井まで繋がっていて、何かの液体で満たされていて、誰かが沢山のコードに繋がれた状態で浮いていた。
下から当てられていたライトの光で裸の人物が浮かび上がる。
それは僕の良く知っている人物だった。
セラ?
髪色が青緑で違うだけで姿はセラだった。
チューブの前に少し大きめの方石があった。いつも通り4っつの魔法石に魔素を通すと中央の魔法陣に男の頭が映し出された。
男が口を開く。
「ワシが呼ばれたと言うことはここにババロンの民が来たと言うことだな。ワシはグクッツと言う、ここの研究室の管理者だ。お前さんは誰だ?」
「僕はナオヤ。訊きたいことがあるんだけど良いかな?
目の前のチューブの中にいるのは誰かな?」
セラそっくりの人物に興味津々である。
「あれは研究所のグレアのホムンクルスの最後の一体だ。施設の魔導炉を暴走させて、地下から魔素を汲み取り、ずっとこの状態を保って来たのだ。」
なる程。
「研究所の外がどうなっているのか知っているか?」
「もちろん、知っている。魔物達がこの施設を護るものとしての役割を良く果たしてくれている。」
「一体いつからこの状態なんだ?」と僕が質問する。
「謎の魔素消失現象から900年後から位なので600年間程になるか。そろそろ耐久年度が来る頃だ。
コントロール室に行ってグレアを起こして詳細は訊いてくれ。
やっと役割を終えることが出来る。」
グクッツは言うだけ言うと消えてしまった。
なぜ施設内の魔素濃度が低いのか理由が分からない。グレアに訊くしかないか。
入り口付近の魔法陣の近くにある方石に触れてコントロール室と意識しながら魔法陣を起動した。
今度は行けたようだ。一つしかないドアを抜けるとコントロール室だった。
メインの制御盤に触れるとコントロール室全体に光が踊り、グレアが起動した。
ソリオがやったように僕を走査する。
「起動しました。お名前をどうぞ。」
僕が名乗ると
「マスター登録されました。ホムンクルスを使いますか?」
「いや、このままで暫くはいい。」と答えて質問を開始した。
「なぜ、研究所は地上に降りているんだ?」グクッツが簡単に答えたが、ちゃんと説明が訊きたい。
「畏まりました。
約1500年前の謎の魔素消失現象によって中央施設のソリオと分離してしまいこの島の近くまで飛ばされてしまいました。魔素保管器の魔素が切れるまで滞空している選択肢もありましたが、ロスト状態がいつまで続くのか不明だった為、地上に降りて節約すると共に供給源の確保を目指す判断をしたのです。
魔素保管器の魔素だけでは1ヶ月と持ちませんので切れた場合は魔素反応炉の暴走に寄り地中より魔素を強制収集して、最悪ホムンクルスの延命をする計画を実行したのです。
魔素保管器から溢れた魔素は施設外郭から放出するようにしたところ、魔物を呼び寄せる結果となりました。」
地上に降りている理由は分かった。
「研究所には魔素凝積機は無いのか?」
「そうです。魔素凝積機は飛空挺クレイモアか中央施設にしかありません。連結中はそちらから供給される仕組みです。」
なる程、分離するのは余程の事だからな。
「じゃあ、なぜホムンクルスを延命させるのを優先したんだ?」
セラそっくりのホムンクルスは謎である。
「当時ババロンに残っていた研究所所長メジーナ・ババロン博士のクローンだからです。」
な、何だって!
じゃあ、あのホムンクルスはセラのご先祖様なのか。
驚きのセラのルーツです。




