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二番煎じの転生者  作者: きゅうとす
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スキル攻勢

完全無欠に見えるドラゴニュート綺麗を攻略するには?


ナオヤの導き出した答えは・・・・



ぬ転章1 世界探訪記 ミライ国⑨



勇者メサイア)でありながら従神ウォルトフに戦いを挑む筈が覇王ラグナロク)綺麗と戦う羽目になった八神直哉ナオヤ)です。



竜力で身体を抑えつけ、人化していると考えた綺麗には生半可な攻撃は通じない。

ならば搦め手を使う。


プロテクトの応用で相手を大きく包み、逃げ場を奪う。

そこに王水の雨を降らせる。


王水(おうすい、aqua regia)は、濃塩酸と濃硝酸とを3:1の体積比で混合してできる橙赤色の液体であり、金をも腐食する強酸だ。

如何にドラゴニュートの鱗が強かろうと耐えられるとは思えない。


反転酸雨アシッドレイン)と言ったが雨というより霧に近い。

プロテクトによって作られたほぼ球形の中は白濁して見えないが綺麗の怒号は聞こえた。


ぎゃあぁぁぁあ~


悲痛な叫び声が上がる。

王水が塩化されて霧が晴れた中に浮かび上がった綺麗は酷い状態だった。


服はほば溶けて無くなり、髪や皮膚があちらこちら焼けただれ、まるでゾンビのようだった。

だが、竜力は健在で宙に浮いたままである。


「よくも、よくも妾の服を焼いてくれたな!!

主が特別にあつらえて下さった服を、特にお気に入りを駄目にしてくれおって!!

許さん!!!!」


綺麗としての人の姿は散り散りになり、その下からは本来のドラゴニュートとしての姿が膨れ上がった。


風魔法で斬撃を飛ばしてみたが変化しつつある綺麗の手前で消滅してしまう。

やはり竜力の干渉で魔法か消されている。


あっという間に目の前の綺麗は僕とほぼ同じ身長だった女の子から5Mを越える黒いドラゴニュートに変わってしまった。


その身体が震えている。

強張った怒号と共に竜力が膨れ上がり、プロテクトが消し飛ばされた。


身体強化Ⅴで反応速度を上げ、マスタースキルから選択した“超反応“を持ってしても、その攻撃を避けるのはやっとだった。


転移めいた移動の後、僕のいた場所に拳を振り切った綺麗が居た。

「逃げるな!!」


ドラゴニュートのせいか声がかなり低音になり、女の子の声で無くなっていた。


更なるパンチの応酬を避けまくる。

時たま振るわれる尻尾はスピードこそパンチより遅いが当てられたらお終いだ。

しかもリーチが長い。


逃げながらマスタースキルの表示をスクロールして望みのスキルを探す。


魔法を放てば竜力に干渉されて無効化され、物理攻撃は強靭な防御力に阻まれ、攻撃を受ければ防御を抜けて竜力の攻撃が身体を襲う。

ほぼ完璧な戦いの化身であるドラゴニュートの覇王ラグナロク)だ。


となれば、後はスキルに頼るしかない。


有った!

『空間把握』

把握した空間内ならどの位置、どの向き、どの体勢でも戦える。

しかも、相手の挙動を掴みやすくなる。


そして、最強のスキル

『ペルソナ召喚』

勇者メサイア)であることの利点を最大限に生かすスキルだ。僕の中には平行世界パラレルワールド)に存在する全ての僕が存在する。

覇王ラグナロク)のドラゴニュートに互して戦える存在を召喚する事が出来る。



綺麗から少し離れてスキルを使う。

空間把握して、セラ達が相手を倒して神殿の隅で休んでいることを確認すると共に、従神ウォルトフが僕達をつぶさに観ているのを捉えた。


更にペルソナ召喚だ。

「来い!!覇王ラグナロク)ゼン!!!」


遙か彼方から強大な存在がやって来て自分に重なり合うのを感じた。

自分が自分でなくなり、他存在になるのを不思議と受け入れた。


身体が熱い!身体が拡張する!瑞々しくも猛々しい力を身体の隅々まで感じる。

今の僕はナオヤであってナオヤでなく、ゼンであってゼンでない。


インベントリーから無形を取り出し、長剣に変える。

更に如意金剛を取り出す。

如意金剛は金剛を錬金術で意志に従って大きさを変えられるように作り替えたものだ。

元々の500㎏から1㎏まで変えることが出来る自在棒なのだ。



覇王ラグナロク)ゼンは平行世界パラレルワールド)の僕だ。

この世界のナオヤは勇者メサイア)だが、覇王ラグナロク)となった存在の僕がいるのだ。

最初気付いた時はショックだった。世界の敵となってしまった自分の存在が許せず、受け入れられなかった。

でも、ゼンの人生を知ってからは善悪裏表をたまたまなのだと受け入れた。



スキルを使ってからは防衛一辺倒だった戦い方が変わった。猛々しいゼンの攻撃が始まる。

物理攻撃無効の綺麗に激しく攻撃を加える。

綺麗のパンチに無形に斬撃を与え、綺麗のキックを如意金剛でいなす。

隙あらばどの場所であろうと攻撃を加えて、攻撃をさせない。

苛立ち尻尾で薙ぎ倒そうとすれば交わしざまに付け根を攻撃する。


攻撃の合間に如意金剛が綺麗のある一点を執拗に打ち据える。

“逆鱗“

綺麗の首筋に存在する鱗が最も薄い場所だ。

そして、最も嫌がられる場所でもある。


何度か逆鱗を攻撃して、とうとう鱗の一枚を破壊した。綺麗にとっては僅かな傷である。

針で突いたような小さな傷、それが僕には必要だった。


如意金剛が剥がれた場所に突き刺さり、僕の魔素マナ)が送り込まれ、体内で複数のファイアーボールとして爆発する。


があぁ!!


綺麗の首筋が抉られる。

竜力の穴が開いた。


いまだ!!

ここぞとばかりに更なる攻撃を加える寸前、綺麗の近くの空間が揺らめいた。


!!?





綺麗に留めを刺そうとしたナオヤの前に現れたのは!!


戦いはまだ終わらない。



§§§§§§§§§§§§§§§

何時も読んで戴いてありがとうございます。

綺麗とナオヤの間に参戦してきたのはあいつです。


ブクマありがとうございます。

批評批判、誤字脱字指摘は近況報告にお願いします。


これからも 二番煎じ をよろしくお願いします。



§§§§§§§§§§§§§§§



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