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二番煎じの転生者  作者: きゅうとす
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王宮の噂

宿屋で女将チャンさんの話を聞くミューレイ



一体ミライ国に何が起きているのか?



転章1 世界探訪記 ミライ国②


勇者メサイア)でありながら世界に戦いを挑む八神直哉ナオヤ)です。



夕暮れが増す中、宿屋ガランに戻ってきた。

夕飯を食べる前だと言うのに葵とミューレイは手に肉の串焼きを持って食べていた。


葵はともかくミューレイは帰って食べれなくなるぞ。


女将さんのチャンさんに夕飯をお願いして、一度部屋に戻るとメジーナ博士が戻っていた。


「おお、ナオヤ君帰ったか。話したい事があるんだか今良いか?」


夕飯を食べながら聞かせてくれるように頼んで一緒に食堂へ行く。


食堂では女将さんのチャンさんが注文を取っていたので、呼び止めてみんなの食事を頼む。内容はお任せだ。

お品書きだとお任せはオーク肉の定食だそうだ。

葵が横から口を出して追加の注文を更にする。

葵は二人前に追加だそうだ。よく食べるよ。


僕の左横にセラが座り、右横に葵が座る。葵の隣にミューレイ、メジーナ博士と続く。


食堂の手伝いの少女が飲み物を訊きに来た。酒類を飲まないみんなは野菜ジュースやらミルクやらを頼んだ。もちろん僕はミルクだ。


「それで、話って何です?」と僕がメジーナ博士に問い掛ける。


「ああ、色々買い込んで居るときにおかしな噂を聞いたんだ。」


みんながメジーナ博士に注目する。

「どんな噂です?」


「それが、ミライ国の国王が生きていると言う話なんだ。」


ガタンと音を立ててミューレイが立ち上がった。

「それは本当ですか!!」


「ああ、あくまでも噂だが、元王宮の廃墟に現れたと言う話らしい。」


「それは幽霊とかではなくて?」とセラが言う。

葵も頷いて同意する。


「王宮は首都に無いんだね、ミューレイ。」とミューレイに向かってメジーナ博士が訊いた。


立ち上がったままミューレイがメジーナ博士に答える。

「ええ、首都パルナと王宮は少し離れています。

殆どが平地の場所にこのロックウォールの街のように岩山があってそこを改造されたように王宮があります。首都パルナはその前に扇状に広がっています。

何でも初代が岩を錬成して作り上げたとかの伝説があるんですよ。」


「初代って古文書を書いたサイカ・アンブロアーって言う人ですか?」とセラが訊く。


「いえ、メジストレイ・ミライと言います。

古文書のサイカ・アンブロアーと言う人のことは知らなかったです。」


首都パルナがまだ小さな村だった頃岩山が出来、そこを根城に初代ミライ国王メジストレイがミライ国を興したと言う。

ただその岩山からはロックウォールのように魔物は現れず、メジストレイが根城に、王宮にした理由はミューレイも知らないそうだ。


シェネッツアが居ない今、王をどうしたのか真実は不明だ。

シェネッツアから逃げていたミューレイからすれば王族が悉く殺されたと言うのは噂でしかなかったのたが、仲間達が庇ってくれたのでそれを信じたといったところである。


食事が運ばれていたので話は一時中断して夕飯になった。


食事を終えた頃女将さんのチャンさんが話をしたいと言って声を掛けてきた。

宿屋の奥にある応接室に案内されてそちらにみんなが移動する。


飲み物を持って女将さんが戻ってきてソファに座る。

「旦那はまだ仕事が終わらないからあたしが話すわ。」


何やら真剣な面持ちだった。少し緊張が走る。


「ミューちゃん、あなた今王宮がどうなっているか知っている?」

「いえ、ダンジョンに入っている時にエルランディア帝国が攻めてきて王族がみなごろし)になり、自分を探して居ると聞いて逃げ回ってましたから。」


「あたしも旦那も凄く心配したのよ。あんたが王女だって知っていたからね。

だから、噂話には気をつけていたのよ。」


「ええ、だから知り合いに頼んで情報を得るためにエルランディアに潜伏していたんです。」


「じゃあ、エルランディアのシェなんとかと言う大提督が行方不明になった事は聞いてる?」


まあ、当事者だからとは言えず曖昧にミューレイは頷く。


「じゃあ、王宮に王様が生きていると言う噂話は?」


ミューレイがメジーナ博士を見て

「さっき仲間から話を聞きました。」

と言う。


「じゃあ、今の王宮を取り仕切っているジャンガジャの事は?」

ミューレイが驚いて聞き返した。

「ジャンガジャってあの追放された元宰相のジャンガジャですか?」


「ええ、そいつよ。」

女将さんが頷く。


ミューレイも王宮を開けることが多かったので余り知らないとは言いながら皆に説明する。


ジャンガジャ元宰相は最近まで宰相にいたのだか、長年の横領と一族に依る寡占がばれて追放されたのだ。死刑にならなかったのは長年の貢献と王妃からの助命が合ったからである。

ジャンガジャは王妃と遠縁だったのだ。少しばかりの財産と家財を持ってミライ国のマーリ共和国に接する荒れ地の辺境へ追い払われた筈である。


それが今回の騒動であろう事か戻ってきて国政を取り始めたと言うのだ。

確かに実権と言うものは官僚が取り仕切り運営する。


シェネッツアは王族を排除したが目的がミライ国の支配では無かったからか、そのまま放置していたらしい。


「今、王宮に行くとジャンガジャに狙われるかも知れないから近寄らない方が良いかも知れないわ。

王様が生きていると言う噂もあんたをおびき寄せる罠かも知れないし。」


女将さんの言うことも最もだった。


みんなが見守る中ミューレイは口を開いた。

「でも、お父様が生きているかも知れないなら確かめたい。」


「そうよね、あんたの性格からそう言うと思ったわ。だから、王宮に行ったら衛兵のサンサカイを頼りなさい。彼なら秘密裏に王宮に通してくれると思うわ。」


目が点になったミューレイが女将さんに言う。

「女将さん何者?」


笑いながら

「ただの宿屋の女将よ。」



真実を確かめに首都パルナへ向かいます。


王様は果たして生きているのか?


真相はどこに?


§§§§§§§§§§§§§§§


何時も読んで頂いてありがとうございます。


ブクマ宜しくお願いします。


批評はお手柔らかに近況報告にお願いします。


これからも宜しくです。






§§§§§§§§§§§§§§§



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