ハジマリ
______そう、あれはたしか月が綺麗な夜だった。
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「 っくそ! 、また負けちまったじゃねーかよぉぉぉ 」
負けた、というのはネトゲ。今年大学を卒業して5年経つも無職な童貞クソニートな俺は暗い部屋の中
一人、ネットの中の友達と夜を明かしていたんだ。
「 ったくよー、あーもう、ほんとネットの中に逃げてーわ。 」
『 .. その願い、叶えてあげなくてもないわよ 』
俺は一瞬耳を疑った。 この部屋にいるのは俺だけ、即ち声など聞こえるはずがないのだ。
..でも確かに聞こえた。疲れてんのか俺。
『 無視するなんてひどいじゃない。画面を見なさい。 』
「 っは!? 」
そこには俺に話しかけてくる豊満な胸の.. ゲフン
ネットやアニメとかでよく見るような派手な格好をしたやつがいた。
..疲れてんだ。きっとそうだ。
『 あ、あんたねえ! 願い叶えてやるって言ってんのよ!?なによその死んだ魚みたいな目! 』
おい、ちょっとまてこの目は元々だぞ。
「 ..それ、どーいうことですか。 」
『 どーいうことって..なんか目が死んでんのよあんた。 』
「 いや、ちがくて。それ関係ねーから。うん。願いが叶うって..どーいうことすか。 」
どこまでひっぱるんだよ俺の目のこと。
『 あ、ああそうね! 私はシェイラ。この世界では私のような存在を女神。というのかしら 』
女神って..女神? 女の神って書いて女神? あぁ、なんだ女神か..
「 って、女神ぃぃぃぃぃ!? 」
『 なに驚いてんのよ。そうだっていってるでしょ。 』
「 え、ちょ、女神って、えぇ!?なんで俺の家に?つかパソコンに!? 」
『 あー、年に一度ねこっちの世界では抽選会が行われるのよ。当たった人間をこっちの世界に呼んで
まー、冒険やらなんやらしてもらうのよ。で、今年はあんた。 』
あー、ちょっとまて? うん、わかった。いやわからん。
「 願いが叶うって..異世界いけるっつーことですか。 」
『 まあ、そういうことになるわね。寧ろ来ないと..ね? 』
いや、ね? ってなんだよ。こえーよ。
『 まあ、詳しいことは後あと。じゃあ、行くわよー? 』
「 え、ちょ待てよ!まだ心の準b.. 」
『 レッツゴー! 』
「 うわああああああ!? 」
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回想終了。と、まあこんな感じで俺はネットの中の世界。異世界に飛んじまったわけなんだ。
..ちなみに今の俺氏はこれでも超パニック状態。ポーカーフェイスな俺。まじかっけー。