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雪物語
君に会ったのは冬の日で
一面の雪が眩しかったんだ
「名前は何?」聞いた僕に
君は黙って首を振った
抜けるように真っ白な笑顔
優しくて冷たい気遣い
失くしたくないんだって思ってる
そんな僕は我儘ですか?
ふわりふわり 紡いだのは
僕等だけの雪物語
愛しいと そう 心から
思う 願う 祈っている
君が消えたのは春の日で
苦しいほど暖かな陽射しの中
「何処にいるの?」そんな言葉
意味はないと知っていたのに
融けるように消えた追憶
苦しいほど変わらない想い
あるはずのない幻想に縋った
もう二度と戻れなくてもいい…
ささやかに 謡ったのは
僕等だけの雪物語
「アイシテル」そう 心から
告げる 捧ぐ 声を枯らす
深い記憶の中 閉ざした欠片に
君の声がまだ反響している
「今マデアリガトウ」「サヨウナラ」
「モウ逢エナイネ」「ダカラ忘レテ」
___まだ反響している
ずっとずっとずっとずっとずっと今も
ふわりふわり 紡いだのは
僕等だけの雪物語
愛しいと そう 心から___
ふわりふわり 紡いだのは
君と僕の雪物語
失くしたくない そう 今も
思う 願う 祈っている
思う。 願う。
___祈っていた。