6.身体計測
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
何がいけなかったんだろう?
何が王妃様を暴走させてしまったのだろう?
時々お会いすることを承知した途端、王妃様は満面の笑顔になり、あの綺麗な侍女のお姉さんとタッグを組んで、私のドレスをひっぺがした!更にメジャーであちこち計測される。それこそ頭の大きさから足のサイズまで、くまなく。
「あらぁ~!シリルちゃんってば、胸もウエストも殆どサイズが変わらないのね~!」
「三歳児の女の子がボンキュッボンな方が異常です。」
「アンダーバストはどこかしらぁ~?」
「今回は胸囲だけ測れば十分です。」
「シリルちゃん、足ちっちゃ~い!」
「三歳の女の子が足だけデカかったら怖いでしょう。」
「背、ひっくぅ~!」
「妃殿下より背の大きい三歳なんてありえません。」
漫才のようなやり取りをしながら、素早くあちこち測りまくるお二人。
全て終わる頃には、私はもうグッタリだった。
椅子に座り、もう一度お茶を頂きながら、私はまた王妃様と向かい合っていた。
「さて。幾つか質問するわね?!シリルちゃんの好きな色は?」
「緑です。」
「女の子で緑って珍しいわね?!普通はピンクとかオレンジとか選びそうなのに。」
「しじぇんの……わかばのいりょだし、おかーしゃまとにーしゃまのひとみのいりょだから…………すきにゃんでしゅ。」
(「自然の……若葉の色だし、お母様と兄さまの瞳の色だから…………好きなんです。」)
王妃様は私の答えを聞いて、納得したように微笑んだ。
「では、逆に嫌いな色は?」
「きりゃいってほどではありましぇんが、おーどいりょはあんまりえらびましぇん。みどりとははんちゃいで“かれた”いりょだから。」
(「嫌いって程ではありませんが、黄土色はあんまり選びません。緑とは反対で“枯れた”色だから。」)
「そう言われたらそうね。…………最後の質問。来週、また会いに来てもらえるかしら?シリルちゃんの都合の良い日で構わないから…………。」
私は少し考えた。
「それはおとーしゃまにきいてもらえましゅか?わたし、おとーしゃまかにーしゃまがいっしょでにゃいと、おしろまでくりゅことができにゃいので…………。」
(「それはお父様に聞いてもらえますか?私、お父様か兄さまが一緒でないと、お城まで来ることができないので…………。」)
「解ったわ。後でクリスティーン魔術師長に聞いてみる。」
そして…………、何故かこのことを切欠に、十日に一度は、王妃様にお会いする為、王宮に足を運ぶのが習慣化することになるのだった。
王妃様、絶賛暴走中です。




