将太
「こんばんわ、また来てくれたんですね。」
将太がにこやかに二人のテーブルにやってきた。
「はい!またお邪魔してます!おいしいですから。」
満面の笑みを浮かべて茜が答えると将太はふっと笑って
「親父の言ったことがわかる気がするな。」
「?」
「なんでもないよ、親父も喜ぶと思うよ。」
将太は不思議な人だと思った、大きく、威嚇的にもなれるだろうになぜか穏やかな気持ちになれるのだ。
二人はなんとなく見詰め合っていると
「もしもーし、私もいるのよ?二人してほのぼのしてくれちゃって。」
理沙がニヤニヤしながら二人を眺めていた。
「あ!」「お!」
同時に赤くなる二人に理沙はますます嬉しそうだ。
「なんなら、将太君一緒に呑みません?」
理沙の提案を将太は快諾し、着替えるために二階の自室に上がっていた。
茜はまだここ数週間の変化に心がついて行けていなかった。人生あきらめていた自分、今は毎日どきどきしていて”感情”をいやでも思い出していた。 その変化はくすぐったくも自分がまだまだ枯れきっていなかったことを思い出させてくれて嬉しかった。
「将太さん素敵ですよね。」
「うふふふ。あんたあんな感じが好みなのね。確かに守ってくれそうよね。ここはひとつ理沙様が一肌脱ぎますか!」
「いいい、いえ、結構です。まだまだ実践は早いんです、枯れていないだけで十分なんです。」
「なにが枯れているんですか?」
着替え終わった将太がTシャツにカーゴパンツ姿で現れた。
「え?いや! 枯れていなくて、いえ!なんでもないんです!!!」
あわてた茜をみて将太はやさしく笑った。
「あわてた姿もかわいいですね。」
茜は真っ赤になり思わず思いっきり否定しそうになったが理沙のプレッシャーをひしひし感じ
「いえ、あの、ありがとう・・・ございます?」
微妙な返事をした。
「いえいえ」
将太もてれて嬉しそうに笑った。
理沙の助けもあって3人は仲良く楽しく飲めたのだった。




