Lesson 2 なりたい自分
途中段階が手違いで掲載されました。見苦しい段階で失礼しました。
いつもの居酒屋までの道を理沙と歩いていた茜は少しどきどきしていた。
なぜだかは自分自身まだ自覚してはいなかった。
「なんか、今日の茜ちゃん、気合はいってるね~。いい傾向いい傾向!」
ご機嫌な理沙に言われて慌てた茜は
「そんなことありませんよ。」
と言い返したが理沙はニヤニヤするだけだった。
いざ暖簾をくぐると、いつもの風景にほっとしたが、心なしか寂しい気持ちも少しあった。
「こんにちわ~。」
二人合わせて言うと、いつも道理のおっちゃんがいつも道理の挨拶をくれ、いつも道理の席に着いた。
今日はおばちゃんが出てきて
「はい、いらっしゃい。何にする?」
元気良く接客をしてくれた。
「おばちゃん久しぶり、この間いなかったからとうとうおっちゃん、おばちゃんに逃げられちゃったかと思ったよ。」
茜がいたずらに言うと大笑いしたおばちゃんが
「本当に、まだチャンスはあると思うんだけどね~。いまだに逃げられないのよ~。
この間は将太が見せ手伝うから久しぶりに友達と芝居でも見てこいって言ってくれてね~。浅草まで出かけてのんびりしていたのよ。」
将太の名前が出てドキッとしたが、そんな心遣いができる息子は素敵だなと素直に微笑が出た。
「素敵ですね。」
思わず出た言葉におばちゃんは嬉しそうに微笑み注文をとって飲み物を取りに行った。
理沙が生を半分近く一気に飲み干すのを待ってレッスンが始まった。
「まず、最近素直に反応していてすっごくいい感じだよ、茜。笑顔もやわらかくなった。いつもは少し自虐的要素があったけど、仕事場でもなんかもっとリラックスしている感じ。どう思う?」
「はい、私もその事に驚いたんです、素直になろうって決めてから以外に緊張するかと思ったら、リラックスしている自分がいて。笑い話でも心のどこかで自分自身を落としていたんだな~って気がついて。なんか、いつの間にこんな風になっていたんだろうって思っちゃって。でも、自分の少しずつの変化、好きです。なんか、よかったな~って。」
理沙という先輩に出会えたに茜は本当に感謝していた。自分自身、ここまで枯れていることに気づいていなかったのだ。そこまでして後輩ではあるが、他人の茜に時間を割いてくれる理沙を少し不思議に思った。
「でも、先輩は何で私に付き合ってくれるんですか?」
理沙は茜の目をみてクスリと笑うと昔話を始めた。
「私も茜だったのよ。でも、実際私は昔から体も大きかったし、からかわれたし、恋愛ごとなんて自分にはありえない。自分は駄目なんだって。無理なダイエットしたときもあったし。体ぼろぼろ、お肌ぼろぼろ、精神ぼろぼろ。人生諦めていたのよね。前の茜なんか比べ物にならないくらい。で、両親の進めもあって一年間留学したの。そこで出会ったホームステイが私の人生を変えてくれた。自分自身でいること、ありのままが一番美しい事、自分自身に魔法をかけて自信を持つことの大切さを知ったの。そしたらなんだか吹っ切れてね、自分らしくいこうって。努力もしたし、失敗もしたけど、今の自分が好きって言えるようになってよかったと思ってる。茜にも私がもらったチャンスをつかんでほしいと思ったの。あんたいい子だし。」
「・・・・。先輩・・・・。大好きです。」
先輩がまぶしすぎて嬉しくてどういったらわからなかったけどありのままの気持ちがでた。
「私、自分を好きになるようにやってみます。」
「うん、がんばろうね。」
「はい!」
がんばろうと決めただけで少しだけ自分を好きになれたきがした。
「素直になれる努力を続けて、次のレッスンはなりたい自分を描くこと。どんな自分になりたいか。ある意味ゴールね。私は自信をもって一人で地に足をつけて生きていきたかった。人に惑わされず影響されず、今でも揺らぐときがあるけどそれを常に頭に入れてるんだ。ただ毎日過ごすだけじゃなくてできればこうありたい、強くなりたいって。」
「ゴールですか・・・。これも宿題ですかね。」
「そうね。いきなり決めるんじゃなくて自分と向き合って決めるといいわ。途中で変えるのもありだし。」
「はい。」
後ろでまた新たに客が入ってきた。
「ただいまー。」
のっそりしたその大きさと声を聞いた茜は心臓が飛び跳ねるのを感じた、思わず振り向くと思った通り将太がスーツ姿で店に入ってきた。茜に気がつくとまぶしい笑顔で会釈をした。
あわてた茜は真っ赤になりながら会釈を返した。
「どうしよう・・・。」
いい加減腐っていた私でもこの意味がわかり始めていた。




