表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛学習(宿題あり)  作者: Tui
32/36

プレゼント

待ち合わせの場所で待っていると将太が走ってきた。


「ごめん、遅れた。」


少し動きが鈍い将太に少し驚いていると気まずそうな顔で将太ははにかんだ。


「筋肉痛で・・・。」


そのコメントで思わず大爆笑しいてしまった。


「ふふふ・・・。私も体中痛いんですよ!」


茜もまだ体中が痛くて仕方がなかった。


「あ、やっぱり?俺ら張り切りすぎ?」


「もう年ですね・・・。」


「うそ!!まだ大丈夫だと思っていたいんだけど・・・だめか・・・。」


「はい、もう年を考えなきゃだめですね・・・。」


「そうか・・・。」


思わず悲しい雰囲気になったがそれもおかしくて二人で見詰め合って笑った。


自然に手をつないで待ち合わせのカフェに向かった。



カフェに着くと理沙と神埼は仲よさそうに話をしていた。


「こんにちわ~。」


「あ、おつかれ~!二人の甘い時間を邪魔してごめんね!」


「いえいえ・・・。」


むしろ二人の雰囲気のほうがアマアマで邪魔をした気がする。


「あ、こちら時田さんです。で、こちらが理沙先輩の彼氏の神崎さんです。」


「初めまして。」


「初めまして。」


自己紹介を終えて取りとめもないことを話しながらランチは穏やかな雰囲気で進んだ。


おいしいチキンオープンサンドイッチを食べ始めて改めてここに呼ばれた意味を考えた。


「今日はどうして急にランチなんですか?なんか用事があったんですか?」


「お!思いだした?ふふふ・・・。今日無理やり呼び出したのには訳があるのよ。」


嬉しそうに理沙先輩が神崎さんを見ると神崎さんも微笑んでジャケットの中から何か取り出した。


封筒が出てきた。

なんだか分からなかった。


「何かのクーポンですか?」


「ふふふふ・・・。」


将太も分からない様で茜を見ている。


「何ですか?」



見詰め合った理沙と神埼は笑顔になると理沙が爆弾を落とした。


「これは、二人の夜が素敵なものになるように私達からのプレゼント!!!」


「え?」


「私達のために一肌脱いでくれた茜のために私達が考えたプレゼントです。

これから二人が初めてのお泊りデートで出かけると聞いて、私達からロマンティックディナーで有名なホテルでディナーを楽しんだ後は夜景を眺めながらのホテル一泊のコースです!!!しかも、次の日は12時までにチェックアウトすればいいのでのんびりできます!もちろん朝食付き!」


将太と茜をお互いに目を向けて唖然とした。


このホテルは有名ホテルで値段も気になるが、二人の初めての夜が中途半端なら普通にと話したことで理沙先輩が特別ロマンティックな夜を用意してくれた、二人の・・・初夜のために・・・・。


初夜・・・・・。



自分達がフライイングしたことを知らない二人はとっても嬉しそうだ・・・。


将太と茜は見詰め合うと引きつった微笑をお互いに向けた。


「すごい。本当にありがとうございます・・・。こんなお礼、本当に必要になかったのに・・・。」


「でも、本当にお礼がしたかったんだ。茜ちゃんがいなかったら、僕達はなかったかもしれないから。」


神埼が優しい笑顔で理沙を見ている。その笑顔に答える理沙は幸せそうだ。


「本当に、いいんですか?」


将太が少し神妙な顔で確認した。


「もちろんです。むしろ貰ってもらえなかったら悲しい。」


神埼の言葉に納得した将太が茜をみて微笑んだ。


「せっかくだから、いただこう。男としてはこれくらい自分で用意するべきなんだろうけど、今回は甘えちゃおうよ。」


優しく微笑む将太が眩しかった。


「はい。私も嬉しいです。お二方も、本当にありがとうございます。」


お礼を言うと二人は本当に嬉しそうだった。


お礼やプレゼントは貰う側もそうだが与える側にも心が温まるプレゼントだ。

二人が茜たちの事を思ってくれたプレゼントだ、断る意味もない。


「楽しんできてね!」


理沙先輩の屈託のない笑顔が素敵だった。



昼食を終えるとさっさと準備をしておいでと二人に追い出された。


カフェを出て駅に向かって歩いていると将太が笑いだした。


「あはははは・・・。」


「え?なんで笑ってるんですか?」


「だって、30にもなってデートのお膳立てしてもらった上にすでにフライングしてしまっているし・・・・。俺ら・・・・ウケル・・・。」


「確かに・・・。なんか情けないですか?」


「え?なんで?半田さんと神崎さんの好意だし、全然気にしないよ。プロポーズのときくらいは自分でしたいけど今回は二人も本当に嬉しそうだし甘えようよ。」


プロポーズという言葉に思わずドキッとしてしまったが笑顔を取り繕って答えた。


「はい。そうですね。」


良く考えてみればとってもありがたいプレゼントだ。憧れていたホテルに泊まれる上に隣には大好きな彼氏。深く考える必要はない。


「はい!楽しみましょう!」


もう一回言うと将太が優しく微笑んで耳元によってきた。


「・・・また筋肉痛になるかもね・・・。」


その言葉に真っ赤になるとまた将太が声を上げて笑った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ