人の持つ力〜涙の理由〜
私には嫌いな友達がいます
自分が悪い事をしてるのに逆切れし、反省の色なし
相手の気持ち考えてる?って言う行動をとる
さぼるのがごく当たり前のようにも見える
でも彼女は大好きな親友でもあります
一緒にいると楽しいし
困ってる子がいたら放っておけなくて
他人に優しく自分に厳しい
何よりとっても強い子だった
─違った…
強く見える子ほど弱いんだよね?
学校で
「もういやや…」
そう言って泣きついて来た彼女
いつも泣くキャラじゃないって思ってたから
彼女が泣いてるとこ見たら尋常じゃないって思った
「ちょっとちょっと!」
後から先生が追いかけて来る
泣いてる原因がこの先生にあると思ってとっさに睨みを利かす
「…今日は部活行きません」
「なんで?」
「行ってもどうせハミられるし」
…彼女はハミられるキャラじゃなかった…
彼女の部活は三年生が女子3人という何ともつるみにくい人数
そういったゴチャゴチャがあってもおかしくはないだろう
彼女を省いた後2人の性格と言えば
1人は気が強く、リーダーシップの強い子 遅刻魔で面倒くさがり
もう1人はそう言う子になんとなくついて行く子 この子も遅刻魔
そういうのもあってか、彼女がそう言う状況に陥ってるのだろう
「…明日の朝練は行きます」
「…ホンマに来られへん?あんたはな、三年の中で一番しっかり部活来てる方やねん。朝練も一番早くに来てやってくれるし、もうちょっとで総体やしな?頑張ってほしいねん」
先生のいう事もなんとなく分かる
その部は二年生と三年生の仲もイマイチで
言い方は悪いかもしれないけど、二年の方がしっかりしてるように思う
その二年生は 休む理由がない=さぼり
ととらえる事が多い
三年生の態度から、そう思うのは自然な流れだろう
「…今、あんたの方に二年生傾いて、ついていこうとしてるねんで?」
「─だってさぁっ…」
涙を耐えるのに必死な彼女
「…二年生には言っとこか?」
「いややいやや!言わんでいい」
「ゆわんでいいん?」
途中で話に入るあたし
「なんでよぉ…言わへんかったら同類やと思われん年で?…どう思う?」
横で聞いてたあたしに振る先生
「あ〜…あたしは、二年生にちゃんと事情言うた方が、こいつの立場が悪くならへんと思うんで、言うた方がいい気がします」
「そうやんなぁ?どう?」
はなしを彼女に戻す
「…どっちでも良い」
切り替え早!!!
と突っ込みつつも話を聞く
「わかった、まぁ今日は…」
結局今日は部活に行かない事になった
数十分後…
あたしは委員会の仕事をしていた
ドアのガラス越しに、教頭と彼女が話をしていた
何かは分からない…
でもどう見ても責められているような状況に見える
無性に腹が立つ…
そりゃ、生徒同士の喧嘩で部活に行かない事を責めるのは教師っぽい事かもしれない
─でも、彼女の気持ちはどうなるの?
いままでいい加減な事をして来た彼女もあたしだって嫌いになるくらい悪いと思う
でもこの状況をもって無理矢理部活に行かそうとするって人間としてどうなの?
教頭の話が終わってまた駆け寄って来る彼女
「なんて言われたん?」
「…なんか分からんけど怒られた…」
意味分からん!!!
彼女は何をした?
人と人とのトラブルって、外部の人間がチャチャ入れて解決するもんじゃない
他人の力を借りるってのも良い案かもしれないけど
一方的に怒られてじゃあ謝りましょうって?
幼稚園児や小学生じゃあるまいし
この話が今後どういう事になっていくかはまだ分かりません
彼女がどう行動するか
先生がどう対処するか
それによって違ってきます
あたしは彼女が少しでも楽になるように
陰で支えたいって…
そう思います
『強く見える人間ほど弱い』
これを心にいれながら…
一応補足しておきます。ハミられるは、略語ではみご。要するに一人ぼっちにさせられる事…ですかね?