膝を折って10分だけ
掲載日:2026/04/29
君の人生を観たくて
膝を折って10分だけ
少しばかり話をした
君のお父さんもお母さんも
君のことが大好きみたいだよ
君は何でもよく答えてくれる
言葉がなくても よく伝わるんだ
君の人生を見送って
膝を折って10分だけ
命は儚いものだって
知っているのに 分かっていなかった僕の
その10分だけ その10分だけ
君の安寧を祈る ただ 君が安寧であることだけを
桜の花はもう散っていて
僕もいつか 君を忘れるだろう
だから 膝を折って10分だけ
膝を折って10分だけ
誰かを悼む時間すら、現代社会の中では取りづらかったりする。
生まれる命があるかぎり、そこに避け得ない理不尽な死もまた存在し続ける。
みんなが生きていくことの価値を保証しきれない私たちは、あろうことか誰かの死のあり方さえもぞんざいに扱う。そんな自分自身にひどく嫌気が差し、爆ぜるように書いたもの。




