皇室
天皇は日本の象徴だと憲法に定められているし、日本の国家元首はやはり天皇だ。内閣総理大臣は大臣の一人なのだ。
天皇の名の下に徴兵されたり出兵されたり戦死したりした過去が有ったとはいえ、皇室を無闇に罵倒するのは早計だと私は思う。
確かに二十世紀前半まで日本が起こした戦争に対して皇室には大きな責任が有るけれど、日本人が皇室を非難すれば無罪になるわけではない。皇室を否定すれば良いわけでもない。
昭和天皇が一番の当事者だけれども、右翼は平成の上皇と令和の今上天皇よりも神格化しようとする。上皇も今上天皇も毎年熱心に沢山の平和の祭典に出席して追悼の言葉を述べているのだ。もっと右翼は上皇と今上天皇を評価すべきだ。
むしろ既に崩御した昭和天皇にすがるのではなくて、理性的に批判すべきではなかろうか。感情的に罵倒するのも、ヒステリックに擁護するのも良くない。昭和天皇には功罪が有る。
また右翼は明治天皇を神格化しているのに大正天皇をあまり評価しない。天皇を崇拝するならば選り好みすべきではない。
皇室を維持するのに億単位の費用がかかると批判されるけれど、それらの多くは皇族の直接的な生活費ではない。国家元首として外国の要人を迎える時に失敗しないように対策するのは当然だ。その為に幼少期からの厳しい躾が皇族に課される。
また、皇族は不自由で可哀想と哀れむ声もある。確かにその通りだが、皇室がどうしても皇統を辞めたいと宣言しない限り、皇室は存続すべきだろう。皇族の心中を分かる民間人なんていないのだ。ただ、皇室や日本国民の双方の利益になる様に皇室典範や法整備を変えていく必要は有るだろう。
女性天皇を認めるのか、女系天皇すら認めるのか、それとも男系男子を貫くならば男性皇族の数をどの様に担保すべきなのか。理性的な議論が必要だ。頭ごなしに女系天皇を認めろとか、男系男子以外は認めないだのとか感情的に騒いでもラチがあかない。
愛子殿下を天皇にすべきと主張する人達は本当に愛子殿下を尊重しているのだろうか。また、悠仁殿下を天皇にすべきと主張している人達も本当に悠仁殿下を尊重しているのだろうか。皇族も政府も国民も慎重に議論すべきだろう。
報道陣は扇情的に皇室を語るけれど、ハッキリ言って不敬罪だ。愛子殿下が生まれる前、過激な報道陣によって今の皇后陛下は流産した事があるのだ。報道陣は本当に反省しているのだろうか。今上天皇すら皇太子時代に「雅子のキャリアを貶す者は許さない」とハッキリとおっしゃった。
皇族は皆、人間で思想や哲学がある事を右翼も左翼も忘れてはいないだろうか。また、可哀想の一言で皇統を安易に終わらせて良いのだろうか。日本の理性が問われている。




