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歴史を学べ

 日本人は歴史を学ばない。そんな事を平気で言う日本人が沢山いる。そう言う人達は自分が学べば歴史を学ばない日本人は減ると思わないのだろうか。


 学校で日本の加害を学んでこなかった。日本政府は糞。日本人として恥ずかしい。そんな事を堂々と言って歴史を知った気になっている人の多いこと多いこと。学生の時に歴史の授業で寝ていたか忘れていたかのどちらかだろうな。


 日本のアジア侵略を正当化している歴史教師なんて、そんなにいないだろう。いたとしても少数派だ。そもそも昭和史を習ってないと言う人がいるけれど、祖父母や父母からの実体験を聞かされていないのだろうか。家庭での教育も看過できないはずだ。


 確かに大学入試や高校入試で昭和史よりも中世史や古代史が重視される傾向はあった。問題ではある。


 歴史というのは過去の遺物ではない。現在と地続きなのだ。だからむしろ歴史を学ぶならば平成史や昭和史を重視した方が良い。失われた三十年と簡単に言うけれど、その要因を皆、本気で探ってきたのだろうか。


 歴史なんて年号と出来事の暗記だと見下して、大人になってから後悔する。バカバカしい話ではある。


 敗戦国としての屈辱、原爆投下による苦痛、アジア侵略の不当性、日本の近代化の是非。それらを順を追って理性的に理解する。学生の頃にしておくべき事だ。歴史は英語よりも学ぶべき教科だ。


 小学生の時から母国語を疎かにして英語を学ばせる。それこそが英語を話せなくさせる要因になる事は現在では知られている。文部科学省は何がしたいのか。


 NHKは歴史を学べ歴史を学べとスローガンを並べるが、何故を追求せず、一方的に日本の加害を強調するばかりだ。これでは歴史を学ぶ意欲など低下する。日本の加害を強調するならば欧米による黒人への差別を語り、当時の日本の高官達の心理を探求すべきだ。単に日本政府と軍部は欲に突っ走って自滅した、とまとめるのはお粗末だ。


 日本がアジア侵略した背景には日本の国家観や戦略や、それを支える機関や人間がいたのだ。その動機や哲学を探らずに、欲と暴力だけで片付けるのは歴史とは言わない。


 何故、日本によるアジア侵略は一度は成功し、失敗したのか。国家観や戦略はどうだったのか。今を生きる日本人の国家観は旧日本政府を本当に超えているのか。


 軍が暴走したから軍そのものを否定し、国家観や戦略が間違っていたから何も考えない。それは思考放棄でしかないし怠惰だ。軍を暴走させない方法や、新しい国家観や戦略を考える。そのキッカケが歴史だ。文部科学省もNHKもどちらも何も生み出してない。


 平和平和平和。反省反省反省。そんな事を唱えるだけでは平和にはならないし、変革は生まれない。冷徹な戦争研究と理性的な歴史観が問われている。八十年間、何をしてきたのか。

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