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『第 章 王女として』

レイラス王国を目指すシーナたち一同は大きな港町にやってきていた。

「目的地のレイラス王国は別大陸にある。よって船で行くわよ。」

「俺達に乗って飛べばよくね?」

「ここからどんだけ距離離れてると思ってるの?いくらアンタ達でも途中で疲れるでしょ。海がどれだけ広いか分かってる?地道に地に足付けて渡った方が安全でしょ?」

「海に足は付けられんぞ?」

「例えだ例え。掘り返すな。」

船の手配を済ませ出航まで結構期間が空いてるためシーナたちは港町でしばらく滞在することになった。

日を改め四人は海辺の砂浜にやってきた。

「せっかく海に来たんだ。泳がなきゃ損よ!」

「私、海なんて初めてです!」

箱入り娘だったレジーナにとって初めての海。

彼女も眼を輝かせていた。

「そうと決まればレジーナの水着を買わなくちゃ。」

「あれ?シーナさんの分は?」

「私は自前のビキニがあるから。」

するとレジーナはしばらく考え込み、

「あの、差し支えなければシーナさんの水着、もう一着買いません?」

「何で?」

「えっと、私、誰かのために何かをするという事をしたことがなくて・・・。もしよければシーナさんの水着、私と選んでくれませんか?」

王女という立場上、気の許せる友人を作ることが出来なかったのだろう。

そんな中シーナは身分関係なく接せる女性。

彼女の立場を鑑みたシーナは、

「分かった。なら私の新しい水着はレジーナに選んでもらおうかな♪」

「っ!はい!」

とびっきりの笑顔で頷くレジーナ。

「にしても、私に相応しい水着なんてこの街にあるのかな?」

「何言ってんだお前?布切れなんて全部同じようなものだろ?」

「年がら年中すっぽんぽんのアンタ等にはわからないだろうね。服はね、人の魅力を引き立てる役割があるのよ。特に水着はね。私を見なさい。顔良し!スタイル良し!能力良し!こんな完璧な女が他にいるかしら?」

「歳はアウトだろ。」

ニーズヘッグからの冷静なツッコみを入れられ無言でラッシュする。

「・・・行くぞ。」

「あ、はい・・・。」

バハムートとレジーナは先に店に向かうのだった。


 店でレジーナと共に水着を選ぶシーナ。

心なしかレジーナが心から楽しんでいるようでシーナも嬉しそうだった。


 水着を買い終えた二人はバハムート達と合流しあまり人気のない砂浜へやってきた。

「コイツ等いるだけで周りを怖がらせちゃうからね。」

「ほっとけ。」

レジーナと共に海を楽しむシーナ。

楽しい時間はあっという間で気が付けばもう夕暮れ時だった。

「歳がいなくはしゃいじゃったわ。」

「やっぱ自覚してんじゃねぇか。ふぐっ⁉」

「ニーズヘッグぅ?そろそろいい加減にしなさいぃ?」

黒炎でニーズヘッグの口を塞ぐシーナ。

その後ろ姿から静かな圧が漏れ出ており最強のドラゴンが肝を冷やした。

「レジーナはどうだった?初めての海。」

「はい!とても楽しかったです!」

いい笑顔で答えるレジーナだった。

するとどこからかすすり泣く声が聞こえてきた。

「?」

それを聴き取ったレジーナは席を立ち声のする方へ向かう。

そして岩陰の裏で泣いている少女を見つけた。

「どうしたんですか?」

「ひっく・・・、お母さんと、はぐれちゃった・・・。わあぁぁん!」

泣いてしまった少女にオロオロしながらも優しく抱きしめる。

少女が落ち着いた頃にシーナたちの下へ戻った。

「なるほど。お母さんとはぐれちゃったの。」

「この時間帯となると親も探しておるやもしれん。しかし直に日が沈む。暗くなれば人を探すのも困難だろう。」

「あの、シーナさん。この子の親探し、私に任せてもらえませんでしょうか?」

突然のレジーナの提案にシーナは表情を鋭くする。

「あのねレジーナ。貴女は護衛対象の身なのよ?あまり勝手な行動は控えてほしいわ。」

身分を隠しているとはいえレジーナは王女。

不用意に動くと彼女を狙うヨルムンガンドに狙われるかもしれない。

そんなことはレジーナ本人も分かってるはずだ。

だが、

「分かっています。でも、誰かがやらないとこの子はずっと悲しんでしまう。私は、それが嫌なんです。」

彼女の表情からは妙に冷たい寂しさを感じた。

違和感に感じつつもシーナはため息をつき、

「・・・分かった。ただし私達の眼の届く範囲でお願いね?」

「っ!ありがとうございます!」

不安そうな少女にレジーナは優しく声をかける。

「大丈夫ですよ。絶対にお母さんを見つけますから。」

そんな二人を見て微笑むシーナ。

「大丈夫なのか?まだ相手の得体が知れてないってのに。」

「勿論その心配もあるさ。でも、王女の顕現を振りかざさず一人の女の子を気遣うあの子を、素直に見守りたくなったのよ。」

「年寄りくせぇぞシーナ。」

「ニーズヘッグ~?」

堪忍袋が切れやすくなってるシーナにニーズヘッグは冷汗ダラダラで口をつぐんだのだった。


 すっかり日が暮れてしまった港町。

少女の母親を探してレジーナは町中を歩き回る。

その後ろをサングラスをかけたシーナがついていく。

するとバハムート達から念話が届く。

「シーナ。別の場所から千里眼で見ておるがいささか怪しすぎんか?」

「何を言う。私はレジーナの護衛だよ?いつどんな危険が彼女に襲い掛かるか分からないわ。」

「オメーが一番危険ぽいわ。いろんな意味で。」

ドラゴンたちにツッコまれながらもレジーナたちを尾行していくシーナ。

レジーナは街の人々に聞いて回るが目ぼしい情報が得られず苦戦しているようだ。

時間も時間なだけに少女がだんだん不安になり涙目になってしまう。

「大丈夫ですよ。絶対にお母さんの下へ送ります。」

再び決意を胸にレジーナたちは歩みを進める。

そんな少女二人を追うシーナとは別の影。

「おい。見たか今の娘。」

「あぁ。とんでもなく可愛かったな。」

「ちょっと誘おうぜ。」

酔っぱらった男三人が二人の後を追い、先回りするために暗い路地裏を進む。

「いいか。さりげなくだぞ。」

木箱の陰から出ようとした瞬間、三人の男は黒い炎に巻き付かれ暗闇の奥へ引きずり込まれていった。

「?」

「どうしたの?」

「いえ、何か物音がしたような気が・・・。」


 「ぐあっ!誰だ?何しやがる!」

投げ飛ばされた男三人の前に立つサングラスを付けた女性。

「悪いけど、あの子は今大事な用事の最中なのよ。邪魔しないでもらえる?」

「テメェ女、じゃぁお前が俺達の相手してくれるのか?」

「あら。私でいいの?」

「「やめろ。」」

念話でバハムート達からツッコまれる。

「冗談よ。」

シーナは両手を構え黒い炎をちらつかせる。

「あの子達には手を出すな。もし近づいただけでも、どうなるか分からない程馬鹿じゃないよね?」

「ひっ⁉」

彼女からの恐ろしい圧に男三人は尻尾を巻いて逃げていったのだった。

「さて、後は頑張ってねレジーナ。」

尾行に戻っていくシーナ。

しかしその様子を建物の上から見ていたフードの人物。

「なるほど。彼女が例の・・・。」

人物の腰ベルトには現代のスケッチブックのが月明かりで光るのだった。


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