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いつもお読みいただきありがとうございます!少し短めですがUPしました。次回はもう少し早めに上げられたらいいなあと思ってます!!

「それで一体、ニンフとはなんなのだ?エルザベート」


皇帝が口火を切り先を進める。


そうです、そうです!

それを気になってました!聞いて下さりありがとうございます、陛下。


皇太子は大人の時間に暇を持て余しているのか、公爵の元へちょこちょこと歩き、そのまま膝に座る。

公爵も何も言わずそのまま膝に乗せ、落ちないよう腰に手を回している。

アイリーンは父親になった姿を垣間見れて心が温まるのを感じた。


「私もよく理解していないのですが・・・そのニンフとは、森や川、水を好む精霊と言われています。書物に書かれているのを見た気がするのです。そのニンフの王族と言われる者たちは、今アイリーン嬢がしているブレスレットの絵が描かれておりました。それと酷似しておりますわ。アイリーン嬢はそのような話をご両親から聞いたことはないかしら?」


アイリーンは過去の記憶を遡って辿ってみても、ニンフの言葉を耳にしたことがなかった気がした。


「申し訳ございません。そのような話は今初めて耳にいたしました。ニンフが現存していることも夢物語のような気がしてなりません。実際、その方々がいた場合、何か気になさる点などあるのでしょうか?」


ニンフ・・・ブレスレットが酷似しているとは言っても・・・

何の飾りもない、ただの腕輪よ?素材が珍しいことはあるかもしれないけど、、、宝石店や庶民の店で売っていそうな普通のブレスレットよ?

そもそも、皇帝陛下にご挨拶にお伺いするということだったはずでは。

とんでもない方向に話が進んでしまって、、、ちょっと恐い。

でも、お母様にこのブレスレットをはめて頂くときに、、、、大事なものだと、あなたを探す標になると言われた気がするわ。

ま、まさかね?そんな、こと、ね?現実にないわよね。


アイリーンの不安な気持ちが表情に表れたのか、皇后は申し訳なさそうに話を続けた。


「ニンフは精霊、妖精の類と私は認識しています。その者たちがいる地域は、自然の災害が防げる、力を貸してもらえると言われています。ましてや王族ともなれば、その力はさらに増すことでしょう。各国が知ればあなたを欲しいと思う国も多いはずです。私たちは国力上げてあなたを守ります。まだ、あなたがニンフと決まったわけではありませんが、そうだった場合、力を貸していただきたいと思っています」


ん?んん??

皇后陛下、今のお言葉は、拒否権がないように思うのですが気のせいでしょうか・・・


「妃殿下、まだ確定でもない話に、そのような話は時期尚早ではありませんか。本日はご挨拶にお伺いしたのです」


「そう、目くじらを立てるんじゃないアーチボルト。お前の気持ちもわかる。一番困惑しているのはアイリーン嬢だと思わないか?エルザベート」


二人を宥めるようにいいながら、さりげなく皇后に目線を流し、言葉を控えるように伝える。公爵は大丈夫だというようにアイリーンの手を強く握った。

アイリーンもまた手を握り返し、二人は微笑みを交わす。

公爵に握られた手が熱く、アイリーンはホッと息をついた。


「アイリーン、大丈夫ですか?」


顔色が悪いな。

体が震えていたが、少しマシになったか…

それでもまだ震えが止まらない…こんな話を聞かされ、国に貢献するようやんわりと圧力を掛けられれば誰でも同じだろう。とはいえ、この話の信憑性は低い。低いが調べる必要がありそうだ。


「その文献を確認させてください。アイリーンも困惑しきっています。まずは、ご覧になった文献を私たちに開示して頂けますか。私たちも確認する必要があります」


公爵は皇后にそう話す。皇后はもちろんです、と首を縦に振った。


「ごめんなさいね、アイリーン嬢に負担をかけるつもりは全くなかったのですが、そのブレスレットを見て言葉が止まりませんでした。一緒に昼食を取っている間に用意させます」


「その方がいいだろう。今日はアーチボルトが好きだった料理を用意している。次回は、アイリーン嬢の好みの料理を用意させよう。あなたはどんな料理がお好きかな?」


皇帝のこの言葉が締めとなり、昼食の場へ皆移動することになった。


もしも、もしもよ。皇后陛下のおっしゃる通りだった場合、私はどうなるのかしら?

お父様もこの話をご存じ・・・・ご存じなら私をもっと利用しようとするはずだわ。

そうよ、皇后さまがきっと勘違いされていらっしゃるんだわ。精霊なんて物語の中の存在だもの。

大丈夫よ、きっと。

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