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婚約者の心変わり  作者: 夕戸 蛍
1/9

1、婚約者のため息

このページに来てくださってありがとうございます。

人生で初めての執筆と投稿です。


「「どうしてこんなことに…」」


お互い目を合わせて2人で深いため息を漏らす。

我が侯爵家の広い応接室。

豪華で華やかな調度品に囲まれた私たちの雰囲気は部屋とは真逆に薄暗い。


机を挟んで向かい側に座っているのは侯爵家の令息。

私の幼なじみのウィル。

茶色い柔らかい髪は癖っ毛で、空色の優しい目をしている。


父親の爵位が同じで、お互いの領土も隣接し、王都のタウンハウスも馬車を使わなくても良いのではないかと言うほど近所、何より母親同士がとても仲が良い。

17歳で同じ年の私たちは赤ちゃんの頃から知っている。


私は紅茶に口をつけ、重い空気の中小さな声を出した。


「本当…ごめんね…。十中八九私のお母様のせいだと思うの…。

お母様は…ほら…気持ちが高揚すると止まらないし、色恋話が好きだから…。

きっと先月ウィルのお母様と話した時に、お母様の、なんか、あれなスイッチが入ってしまったのよ…」


「サラ、謝らないで。うちの母も舞い上がっていたんだから。

これは誰も悪くないし、タイミングが今なだけで、いずれはこうなる運命だったのかもしれない。」


「でも、私たちが結婚しても何もメリットがないわ。

それこそお母様達が楽しくお茶できる…って今でもしてるから…メリットのうちにも入らないわ。

だから家の為の結婚って言い方も…なんだか腑に落ちないわよね。」


「僕たちの家の領土も似たり寄ったりだしね、力も互角だし、その分デメリットも無いから反対もされない。」




私たちは昨日、婚約が成立した。

と、聞かされた。お互い、母に。



寝耳に水と言う程驚く話ではなく、時々母同士「お互いの子どもを結婚させちゃいましょう!毎日が楽しくなるわ!」などと盛り上がっていたので、今の状況に「なってしまったかー」と言う気持ちがある。



でも、私には好きな人がいる。

ウィルの友人、ジャスティン様。


そしてウィルにも好きな人がいる。

それは、私のお姉様。


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