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デリHELL!!  作者: 鶏むね肉先輩
7/10

やっとスタートです

「すみませんでした」

謝罪と同時におれは土下座で誠意を示した。

「おお・・・なんてきれいな土下座なんだ!あれは王たるものの土下座だよ!」

「土下座の王はもはや敗戦王やない?」

「いや!今までも土下座できっと修羅場を収めてきたのだろう・・・いうなれば、歴戦王だ!」

「店長、もしかして最近モンファンやってます?」

外野がうるさい。


「・・・・・」

うるさい外野から意識を戻せば、目の前には少女が一人。露骨にむすーーっとした顔をしている。

「あのう、この流れで大変恐縮なのですが、自己紹介させてもらってもよろしいでしょうか?」

「・・いらないわよ。だいたいわかってるから。」

おや?まだこっちにきて数時間しかたってないはずだが。情報がやけに早いんだなぁ。

「今日天界に来た、セクハラド変態。合ってるでしょ?」

「なんっっっにも合ってませんが!!??」

「ちょ、立たないで!土下座してなさい!」

「理不尽!!」

あまりの誤回答に思わず立ち上がって突っ込んでしまった。叱られたのでとりあえず土下座の姿勢には戻った。


「店長、アッキーはいつになったら着替えるん?」

「ハルちゃんが落ち着いたらじゃないかい?ぼくはあのままでも良いと思うんだが」

「そりゃ店長はお仲間を見つけはったようでええやろうけど・・・」

「でもいいじゃないかあの土下座の姿勢。おしりプリっとしてるよ。」

「ぷ・・くく・・!やめやほんま・・・!」

外野がうるさい。


「改めて、今日からお世話になります。よろしくお願いします。」

「そんな恰好で挨拶しないでくれる?」

思いのほか辛辣だ。初対面でとげとげ過ぎない?

「はぁ、分かりましたよ・・・お目汚ししてすみませんでした。着替えてきます。」

とぼとぼ事務室に戻った。初対面の女子にあの態度されるとメンタル来るな・・・まぁ裸エプロンかましたおれが悪いか。


「おおい、アキモトくん!ちゃんとしたユニフォームを渡しておくよ」

「いやちゃんとしてない自覚あったんすか!おかげでおれ、あの子にゴミ見るような目で見られましたよ!」

「ははは!ハルちゃんは人見知りする子だからね!しょうがないよ!切り替えていこう!」

「んな簡単に切り替えられるかい・・。ん、ハルちゃん?あの子の名前ですか?」

「そうさ!でもまあ、自己紹介は本人からされた方がいいだろう?あの初対面を挽回するためにもね!」

「・・・!そうか、そうですね。そこは大事にしないといけないですね!」

「うむ、その意気だ!」

熱血にみえて、冷静に物事見てるなこの人。しのびねえな。

とりあえず、店長に渡されたちゃんとしたヤツを着よう。

エプロンかオーバーオールかシャツか・・・何種類もあるようだったが、ヤマさんがかっこよかった印象なのでオーバーオールを着ていく事にした。


さっきのフロントのとこに戻ると、ヤマさん一人だけいた。

「あれ、さっきの子は?」

「休憩入る言うてコンビニ行ったで~」

「まじすか、ちゃんと弁解しようと思ったのに・・」

ってあれ?コンビニって言った?天界コンビニあるの?便利すぎね?

「まあとりあえず、それはこれ配達してからやってな~」

ヤマさんからほかほかの小箱をわたされた。なんだかいいにおいがする。

「ほら、天界初仕事やで?気張っていきや!ま、現世でやっとったんなら難しいこともないやろし、気楽になぁ」

「そ、そうですよね。でもちょっと緊張しますね」

「そう?でもそのユニ似合っとるで、かっこええわ」

きれいな人にかっこいいと言われてしまった・・・感無量・・・。

「お、きれい?うれしい事いうやん~」

しまった。声に出てた。はず。

「それハルっちにも言えば、すぐ弁解できると思うで。頑張りや~」

そういうもんかなぁ。そんな会話しながら車庫に向かった。


「とりあえず、このバイク使うたらええわぁ。天界製やから強靭やで!」

「そうなんすか。うお、形はバイクなのに、よく見たら見たことない素材・・・なにこれ」

「地獄の門番してるやつの骨らしいで?ガーゴイル?とか言うてたなぁ」

いかちいなあ・・・。でも、そのいかちい所に配達行くんだから、頑張らんとな!

そう意気込み、エンジンをかける。よし、いくか・・・!


「それじゃ、安全デリHELLいってきます!」

「気ぃつけてなぁ~」

スタートは快調。・・とは言えないかもしれないが、スロットル回せばもやっとした気持ちは吹き飛ぶもんだと、自分では思っている。

この新天地での走り出しが、おれにとって良いものになるように祈りをこめて、アクセルをふかして――


『・・ガタガタ!ガタガタガタ!』

「・・・え!?荷台震えてません!ちゃっとヤマさん!?何入ってんすかこれ!?ちょっとぉーーーー!?」

――良いスタートか、果たして前途多難か。

背にある荷物に恐怖を感じながら、おれは地獄への初仕事に繰り出していった。




オリンピック見てて更新遅れちゃった☆

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