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デリHELL!!  作者: 鶏むね肉先輩
3/10

再就職しました

「書類の手続きは済んだので、それを基にして面接していきますよ~」

「はい・・・」

さすがに三度も殴られちゃ顔面めり込みすぎて前が見えねえ。


「まあ面接と言っても適性検査みたいなもんですよ。楽に楽に」

「適性検査?なんの適性なんすか?」

「お仕事につく際の適正です!相性悪かったら続きませんからね〜」

・・・え?お仕事?天に昇ってまでも働くの?

「てっきり、死んだらお空の上でゆるふわスローライフでも送って心穏やかに過ごすのかと…」

「それが出来るのは、天命を全うした方が中心になりますね。要は寿命でお亡くなりになった人が対象です。」

ほうほうそんなルールが…

「ん、そうすると働く対象の人ってのは…?」

「いい質問ですね!対象は不慮の事故や事件で、道半ばで惜しくも亡くなってしまった方ですね。なんせ、寿命分清算しないと転生できない決まりなので、その分働きましょうってことなんですよ」

「ええ、でも池上さん。寿命なんて人それぞれなんじゃないですか?」

「誰が彰ですか。まあ確かに寿命分では長すぎますので、天界にはとあるシステムがあります。ポイントシステムです!」

ポイントとな?

「現世は働くとお金が貰えますが、ここではその代わりにポイントが貰えます!それを貯めていくと・・・」

「寿命の代わりにポイントで転生が出来るんですね!なるほど、最終目標の転生のために働くというわけですね」

「まあそういうわけです。ポイントの使い方はお金とほぼ同じなので、まあ頑張って稼いでくださいって感じですね」

超他人事やんけ・・・でも仕事する意味は理解できた。その再就職先の斡旋をここでやっちゃうてことか。


「おっと、脱線しちゃいましたね。それでは面接始めましょうか」

「脱線してないでしょ。むしろ言わなきゃいかん情報じゃん。脱線どころか本線ですよ」

「細かいことは気にしないでください。まったくもう」

逆ギレっぽい反応された。おれが悪いんかこれ。

「えー、それでは始めます。まずは出身と名前をお願いします。」

「就活か!!えー、生まれは日本、名前は秋元です。」

「ありがとうございますアキモトさん。職歴見ると、デリバリーの仕事を長くしていたんですね・・・?」

「あー、そうですね。はやりのスーパーイーツってやつです。実は黎明期からやってたんで、かれこれ6年くらいは」

「へぇ、なかなかの職歴ですね!あれ、そういえばデリ部門人が足りてないってこの前ぼやいてたような・・・。ちょっと確認してきます!」

「あ、ちょっと待・・行ってしまった」

受付嬢的な人は足早にどっか行ってしまった。確認とか言ってたな。

まだその仕事やるとか言ってないんだけどな・・・もうちょい吟味させてくれよ。

「お待たせしました~、即戦力は大歓迎とのことです!内定ですね!おめでとうございます!」

「レスポンス早いし、なんもしてねえのに物事が進むなぁ!?ほかの職種とか案内ないんすか?」

「だって職歴見る限り、デリバリー以外でなんかやってました?脇見もせずにそれ一本しかやってないじゃないですか」

「うぐぅ、それはそうだけど・・・でも!どうせやるならなにか新しい仕事を!」

「ちなみに配属はデリヘル部門です。」

「新しい職種がおれを変え・・・いまなんて言いました??」

「配属はデリヘル部門です。ご不満なら、ほかの職を探して・・・」

「いえ、その仕事受けさせていただきます。ちょうどまたデリしたいと思ってたんです。キリッ」

「・・・・・」

受付嬢がいぶかしげな眼で見ているが、そんなものは関係ない。

おれは新天地での仕事に今燃えているんだ。うん、期待で胸がいっぱいだ。

別に?配属がデリヘルとか?そういうのに惹かれたんじゃなくてね?使命感がそうさせたというか。うん別に。マジで。

「受付嬢さんおれ頑張りますよ!ぜひやらせてください!」

「あ、はい、手続きはしときますんで、追って連絡しますから・・・ちょっとテンションきもいんであっち行って待っててください」

元気に返事して、席を立った。ふふ、デリのヘル、響きがいいよね。どんな仕事だろううふふぅ・・!



「・・・もしもし、先ほどの件ですが・・・はい、一人決まりましたよ。デリH()E()L()L()部門です。・・・え?また釣ったのかって?人聞きが悪いなぁ。あっちが『やりたい』って言ったんですよぉ、ふふ」

興奮してたおれは、受付嬢のあくどい会話に気づくことなく、その場を後にしたのだった――

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