エピローグ
ドンッ
なんか鈍い音したな。結構近くか、何の音だ?
周りもざわざわしてるし、事故かなんかか?
配達指定時間までまだあるし、野次馬にでも行ってやるか。
・・・あれ、行きたいのに体が動かねえ?
くそ、目の前に俺の配達バイクも倒れてんのに。早く動かし・・・
・・は?『目の前にバイクが倒れてる』??
というか、周りの喧噪の真ん中にいるのは俺じゃねえか?
いったい何が起きて・・・
「おい、大丈夫か!早く警察を」
「それより救急車先だろ!」
「ちょっとマジで!?えぐいわこれ!」(カシャ!)
「撮ってんじゃねーよ不謹慎だろ!」
だんだん周りの野次馬もヒートアップしてんな。
あぁ、もしかして鈍い音の元はおれからだったのか??
あーー、事故ったのか。
どうりで体も起こせねえ。見れる範囲で周りの確認でも。
相手はどうやら車か?
うひょ、いいフォルム・・白いFDかな。
どこの零課が乗ってたんやら、峠攻める兄弟のハイブリット車でもやってんのか?
そんなこと考えられるくらいには思考もクリアだなww
・・あれ?そんなことを考えてたら、
さっきまでうるさかった野次馬の声が聞こえねえな?
しかもめちゃくちゃ眠い、こりゃ落ちるな。
抗えない、深い眠りに――