女神ガチャSSSレア
「ところで、その女神様は一体どこにいんの?」
「あら、サテュロスちゃんならもうそこに居るわよ。」
え?どこに?
あたりを見渡す。すると、頭にタユンとした感触。
え?なに?何が乗っかってるの?
「ほう!お前は水の戦士か!なかなかかっこいいじゃないか!」
何やら頭上から声が聞こえる。俺は上を見上げると、そこにあるのはマチチだった。いや、魔乳だ。
「うわああぁああっ…ななな…!?」
慌てて離れると、そこには二メートルは超えるだろうドデカ魔乳女が立っていた。
「優太よりも男らしそうじゃないか!どうだ?私が二人まとめて特訓してやろう、今夜は眠らせないぞ。」
まるで宝石のように輝くその短い髪を靡かせ、布というより糸…大事なところが見えそうで見えない際どい生地を纏うその姿。
しかもあろうことか犬のような狐のようなもふもふのケモミミがはえている。尻尾もふわふわの可愛らしいものが生えている。大出血サービスの半獣だ…!
「彼女がサテュロスちゃん、この森の女神よ!」
ナイアードの紹介と共に彼女、サテュロスは舌舐めずりをした。
「んふふ…まさか一日に二人もの男の転生者がこの森に入ってくるなんて最高じゃないか…!」
その目はまさに獲物を狙う獣の目だ。
「ま、真麻君…サテュロス様は自然の豊穣の化身、欲情の塊と呼ばれている女神なんだよ…。僕もこの森に来てすぐおっ…襲われそうになって…。」
優太は恥ずかしそうに顔を両手で覆った。
ううん、どうみても童貞の優太にはたしかにこのビジュアルすらきついものがあるだろう…。
「私はウブな男は大好きだ。それにお前はアースの力を宿してる。私との相性は抜群だろ…?」
サテュロス様は優太の小さい身体に抱きつくと、ぺろりと優太の頬を舐めとった。
うーん…羨ましいぞ優太!!
「え、じゃ、じゃあ水の女神様は…。」
「エーゲリアちゃんならあそこよ、あそこ。」
ナイアードが指さす方を見る。
そこは泉のそばの草陰だ。女神らしき人なんてどこにも…。
「ん…あれ?」
よく見ると、草陰からぴょこっと青色のアホ毛が飛び出しているのが見える。
「ほらエーゲリアちゃん出てきなさい、お待ちかねの転生者よ!」
ナイアードが精霊らしく宙を舞いながらそのアホ毛が飛び出す草陰に近付く。そしてぐっぐっと引っ張ると、ガサガサっと草陰から人が飛び出した。
「はわわわわっナイアードちゃん…そんな乱暴にしないでえ…!」
草陰から飛び出したのは、一言で言うと女神だった。
「え…かわい…。」
思わず声が漏れる。
俺が想像していたよりもずっとずっと可愛らしい女神が飛び出してきた。
サテュロス様のようにキラキラと輝く青い髪は、ふわふわとしてとても柔らかそうで、目もクリクリ。
そしてナイアードとそんなに変わらない幼女だ。
そう、幼女だ。
「へあっ…!あ、ど、どどどどうもはじめまして!わ、私エーゲリアです…この度はウォーターの力を受け継いで下さったということでありっありありありがとうございます…!」
飛び出してきた女神はぺこーっとその可愛らしい頭を深くさげた。
「え、このちまっとした可愛いのが女神様…?」
「あんたちょっと失礼じゃない!?エーゲリアちゃんが正真正銘この森の泉の女神よ!」
「うう〜ナイアードちゃん、そんな偉そうにしちゃだめだよ〜っ…。」
驚いた。女神というのはみんなデカくてキラキラしているもんだと思ってたが、俺は大当たりを引いたのかもしれない。
「ごめんなエーゲリア様、俺、杉田真麻。まだ転生してきたばっかなのに、こんな可愛らしい女神様にあえるなんて光栄だよ!」
俺がニコッと笑うと、エーゲリア様はポッと顔を赤らめると恥ずかしそうに、しかし嬉しそうにほほえんだ。
「エーゲリアちゃんはね、とても恥ずかしがり屋なんだからね。いじめないでよ!」
「はいはい、わかってますよ。」
「ちょっと、なんかエーゲリアちゃんと私の扱いに差があるんじゃないの?」
「そんなことないって。」
遠くの方で優太の叫び声が聞こえてきた。
いつのまにかサテュロス様に連れて行かれたのだろう。
がんばれ優太、漢になるんだぞ…!