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とある職人の日記  作者: 東之鷹
王女の執事
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執事の休日

 起きる。朝の日課を欠かす日は無い。たとえ休みの日であってもランニングやらストレッチやら、身体が資本のこの世界では鍛錬を怠る訳にはいかない。そして今日は休日、というか王城から出てはならないが、「ある程度自由にすることが許された日。」という日である。今日は作りたいものがあるので鍛冶場に向かう。この城の鍛冶場は戦時などで簡単な武具の手入れなどを行う場所として整備されていたが、ここが前線になるなどほぼあり得ないため、今ではほぼ誰も使わない場所と化しており、そこを使う許可を陛下から取り付ける際に、自由に使う許可を頂いた。ただし作るものはすべて必ず報告する様にと義務付けられた。今までに作ったものは数えきれないほどあり、簡素な吹子と炉、そして砥石と最低限しかなかったのが、色々頼んだり改装したりした結果、一昔前の火工場を設けた町工場の様な雰囲気となっている。元々は、炉と水流で回る大きな砥石があったのだが、今は水力発電機が置いてある。そして発電した電力でちゃんと砥石や炉の吹子などが動く様になった。そして旋盤やボール盤など、前世で馴染みのある工作機械がずらりと並び、当初はゆったりとした配置だった鍛冶場が、装置がギチギチに詰まった、使用感たっぷりの工場こうばへと変貌していた。そして隣の部屋は元はただの休憩室兼応接間であり広めの部屋でゆったり休憩できたのだが、元々あった椅子やら棚やら何やらが端に追いやられ、代わりに木箱が高く積み上げられ、そして周りにはまるで収まりきらなかったかの様に紙が散らばっている。そしてその部屋は元々は簡素な鍵が付いているだけだったのが、扉ごと交換され、鍵はディンプルキーとなっており、更に鍵自体の数も増え、よく見たら鍵穴が違う扉となった。そして開け方も特殊であり、一見蝶番があるのだが、ダミーの物で、実際はプラグドアの様な開き方となっている。しかも内側に。その為、蝶番に従ってドアを引いて開けようとしても、一切ビクともしないという、不正に開けようとする人の心を折りに行く仕様である。また、近くの部屋に付いていた警備兵が増員され1人だったのが2人になっている。

 と、いつの間にか非常に厳重な部屋と化した鍛冶場だが、朝田は今日も籠って何かをしている。

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