prima prima:08 彩香
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ちょっと待ってよ…
それってあなたが帰りたくないだけでしょ──
「これも何かの縁だと思いまして…少しの間、ここに居させては、くださいませんでしょうか、、、」
あら急に敬語…?
「でも──あなたとあたしは…
その…親しい仲だったとかじゃ…」
「そこを何とか…!!!」
…何とかっつってもねぇ──
まぁこの家…
一人じゃもったいないかしら──…
「ただでとはいいません!!だから…」
「(いや、ただで良いわよ…)
まぁ…じゃぁ、そうねえ───」
汐里ちゃんは顔をあげると、ぱあっと輝かせてこちらを見た──
そんな顔されたら………
断れないじゃないのよ!!!!
つくづく自分のお人好しには呆れてしまう…
「いいんですか──!?」
んんだめだ…汐里ちゃん、笑顔が──眩しい…
「じゃあ…いいよ──…」
かくして私たち二人の変な同居生活が始まるのだった───────
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…ん、もう夜かな──…
部屋も暗い…
熱はもうすっかりみたいだ──、昨日からいろいろとありすぎて──疲れてしまった…
当の本人は……
───ガチャ──────
──久木さん?
と、言って中に入ってきた
「熱は──、」
おでこに額をくっつけてくる
「ない…みたいですね!!
良かった───!!
今、晩のご飯作ってるんです!!
今日は、ハンバーグですよ!」
ハンバーグ…もうすっかり
ここの人だわ…
「今日は」ってなに…「今日は」って…