prima prima:03 彩香─汐里
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はぁ──…今日は大変な一日だった。
可愛らしい女の子を見かけたら、様子がおかしくて…
不審者から助けてあげたら、急に泣き出してしまって…
涙であたしの服もびしょびしょ…
しかも泣きつかれてあたしの胸で寝息を立てちゃってるし…
この子、誰にでもこうなのかしら…?仮にもあたしが不審者だったら今頃違う涙流してるわよ…
でも、なかなか細くって可愛い子じゃないの。夜に、それも一人で、酔ってあんなとこ歩いてたらそりゃあ危ないわよ…
あのあとも、彼女運ぶだけでも疲れちゃったし…今日は寝ようかしら。
ベッドはあの子が使ってるし…ソファで寝ましょう…。
次の日────────────
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それはお昼に差し掛かりそうな遅い朝…久しぶりに暖かい中、陽射しに目を覚ました…
明るい…もう朝なのか…
白い清潔なシーツに包まれた私は、泣いた疲れを癒すような──
ひんやりとした手触りに思いの外、
ぐっすりと寝てしまったみたいだ…
それにしても空っぽな部屋だ…
この寝室にはベッドと棚が一つすっきりと収められている──
のど─かわいたな…
水を求めて寝室をでた…
ずいぶん広い家だ…一人暮らしには思えないが──
そこで一つ気がついた、
あのベッドもシングルではなかった、ということは……………
やめた──勝手な詮索は失礼だろう
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