prima prima:19 彩香
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───泣き止んでもなお、
汐里ちゃんはまだあたしの腕の中にいる。
───目を閉じて、
恋人みたいに寄り添って、
力無くあたしの背中に腕を回して。
───時間はまどろむみたいに、
ゆっくりと過ぎてゆく…
急に汐里ちゃんは腕を離して、
あたしと向き合った。
「彩香さん…あたし…」
つい、どきっとしてしまった。
夜風に髪をなびかせる彼女が
あまりに綺麗だったから。
「あたし…彩香さんが好きです…
こんなに落ち着いたの初めてで…」
「あ、ありがとう…
あたしもよ…」
好き…どんな好きだろう…
わからないけど、嬉しい…
「さあ、もう帰りましょう」
小さな声で──はい、って聞こえた。
あたしのは、どんな好きなんだろう…
わからないけど大事にしたい。
二人で一緒に…
────やっぱり手を繋いで歩く。
二人で歩く、この夜道はとても綺麗だった……
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────いつの間にか家に着く。
あっという間だった。
汐里ちゃんは少し眠たそうにソファに寝ころんでる。
──ふふ…こうやってみると、最初っからこの家の住人だったみたい…
「そんなところで寝てたら風邪ひくわよ?」
「んん…」
もう、しょうがないなあ──
「寝るならベッドで寝なさい?」
そう言って、ひょいっと汐里ちゃんを持ち上げた。
そのままゆっくりとベッドに横たわらせて、布団をかけてあげる。
「今度は…あたしが抱きしめてあげる番ね…」
ほんとは汐里ちゃんが可愛いすぎたから。だからそんな言い訳みたいなこと言ってごまかしたんだ。
ただ…汐里ちゃんは可愛い寝顔で、あたしの腕の中にいてくれるから。




