prima prima:18 彩香
--------------------
あたしの目の前には今─────…
「彩香──さ──ん♪」
今────…
「ねぇ──手ぇ繋ごおよ──♪」
今──…
──────ふぎゅ──…
「ち、ちょっと!!
だきつかない!!!!」
「彩香さんが照れてるぅ──♪」
酔ってご機嫌な
汐里ちゃんが…いる……………
─もう…仕方ないなぁ──
「ちょっとよ─…?」
手を繋いであげたら
静かになった
───ぎゅぅ────…
「彩香さあん…」
「ど─したの??」
「わぁあ──────ん!!」
「ちょ、ちょっと!?」
急に大人しくなったかと思えば
びっくりだ──
急に泣き出してしまった。
────────────────────────────────────────
あたしは泣き出した汐里ちゃんを胸に抱きよせて、まぶたにキスをおとした────…
彼女が落ち着くように…彼女がもう泣かないように…そう願って──
そのうち、汐里ちゃんは泣き止んだ
「落ち着いたかしら…?」
「うん…落ち着いた…」
「どうしたの…?何か嫌なことでもあったのかしら…?」
グスン──…グスン─グスン─…
やばい、また泣き出しそうな雰囲気…
「う…あ、あたし…ね…
えぐ…あたし…不安だったの…
アパート追い出されて、
帰れる場所がなくなったら
どうしようかって…」
──うん
時折頷きながら抱きしめる……
「それで─…それで
彩香さんと会って…
凄く安心しちゃって…
それで…お酒飲んだら…
全部溢れて来ちゃって…」
──うん
「で…泣いちゃっ…て
あたし…あたし…
泣いてたら嫌われちゃうって…
彩香さんに嫌われたくないって…
それで…それで───」
─────ギュ────
大丈夫よ───
───嫌いになんか…なるもんか
そう言って汐里ちゃんを
抱きしめてあげた───
────────────────────────────────────────