prima prima:16 彩香
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「ふぅ───着いた」
「おっきな駐車場──!!」
あたしたちは家具専門の大手の店へ来ている──当然だが、お昼間ここは、新婚の夫婦やらが家具を揃えにとかで──それはもうごったがえしているのだから…
「はぐれないように
手を繋ぎましょ♪」
大変だわ!!
汐里ちゃんが奇声をあげてる!!
↑自分のせい
「恥ずかしいですよ─…」
「うふふ…良いから、良いから」
二人一緒にエレベーターに乗り、中に入って行った───
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──チン────────
エレベーターを出ると予想通り、もの凄い混み方だ──
そだっ───
「基本どんなデザインがいい─??」
「手頃な───」
やっぱり。言うと思ったわ(笑
「値段なんて良いから──!!
値段気にしてたら、
良いもの買えないわよ」
──────あっ!!
あそこの一角は──
「これなんてどうかしら♪」
この机に…椅子に…
それから、あのタンス──
後は………………
「ひ、久木さん!!
早いです────!!」
ありゃ、汐里ちゃんが息をきらしてる…悪いことしたなぁ──
「ごめんね──つい夢中になっちゃって」
あそこのカフェで一息つこうかしら────
「ちょっと休憩しよっか──」
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「ふぅ─…」
「それで──どうだった?」
「ふぇ─??」
「家具よ─家具…
気に入ったかしら?」
「あ、凄い気に入りました!!
でも、申し訳なくて…」
「気に入ったならいいじゃない♪
言ったでしょ─?
あたしお金持ちなの…
一人じゃ使いきれないくらいに…」
──さ、行きましょ♪
そういってあたしは彼女の手を引いた──────