prima prima:13 彩香
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──あったかい…
からだがふわふわする…
「ん…んん…」
朝、かぁ…久しぶりにこんなあったかいところで目が覚めた…前のアパートは最低だった…
外見からしてぼろぼろで…安いからという理由で入ったのだが、すきまからくる風は冷たいし…
壁も結構薄いみたいで、早朝はもう最悪…
頬に伝わる空気の冷たさに何度目が覚めたことか…
でもここは気持ちいい…顔に当たるこのふわふわがもう…
……ふわふわ…………?
───パチ──────
目を開けたが朝日が入ってしまい──近くにある枕をぐっと寄せた──
……ふわふわだぁ………
────くすくす───
どこかから忍び笑いが聞こえた…
おそらく久木さんだろう…
起きなきゃ…って呟いて目を再度あけると…そこには…
「きゃぁ────────────!!!!」
久木さんの胸が──私─
あぁ──────!!!!!
なんてこと……!!
恥ずかしい……………!!
久木さんまだ笑ってる…
このひとは…!!わかってて!!
「久木さん!!」
起きようとしても話してくれず…結局まだ久木さんの腕の中にいる…
「汐里ちゃんの…」
「あ───!!!」
「えっち…」
だいたい予想していたが…
耳元で呟かれて、きっと今凄い赤面しているだろう…
「だって…だって…ふかふかで…柔らかくて───」
──その声はそのまま久木さんのまた熱い抱擁によってかき消された─────
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